原因ー結果を考えるときにハマる大きな落とし穴 その3
こんにちは!ふくカエルです(Twitterアカウント:ふくカエル)。
ご訪問いただきましてありがとうございます!
今回は、クリティカルシンキング入門篇「あなたの思考をガイドする40の原則」を勉強してみます。
もっと、きちんと くわしく理解したいぞ~~~!
という方には、下記の書籍をご覧いただけるとありがたいです。
実はまだある!大きな落とし穴
前回までは、因果関係について正しく判断できるように、三つの基準について考えてきました。
これで大丈夫!OK !
どんな問題でも
かかってこい!・・・・・。
なのですが・・・・。
実は、そうとは言えないのです。
クリアしないといけない大きな落とし穴がいくつかあるのです。
うお~!
こんなん
聞いてへんで~~!
と叫ぶ前に
知っておきましょう!
それが、前々回と前回にお知らせした
- 錯覚
- 前ー後論法
です。
とくに2の「前ー後論法」はよくハマる落とし穴なので、要注意です。
「前ー後論法」とは、前の状況と後の状況をくらべて変化があるときに、
途中で施した「処置(手だて・自分の行為など)」が変化の本当の原因だと考えてしまうことです。
「前ー後論法」には次の4つの注意点があります。
前-後論法・同時発生の原因・自然な原因についてはこちらへ
今回は、③の「平均方向への回帰」についてお知らせします。
ところで、平均方向への回帰ってなに?
平均方向への回帰ってなに?
「平均方向への回帰」とは、
どんなにいい結果が起こっても、どんなに悪い結果になっても、いずれ平均値に戻ってしまうことです。
どんなに調子が良くても悪くても、いつもの調子に戻る傾向のことです。
これも、結構あるあるだよ!
この「平均方向への回帰」ですが、日常生活においても結構あるあるです。
たとえば、テストの結果
たとえばテストの結果です。
非常に良い点をとってビックリしたことないですか?
うお~!100点かよ!
逆にすごい悪い点をとって落胆したことないですか?
あかん!あかん!
単位落とすかもしれん!
テストって、(一部の天才を除いて)いつもいい点をとるとは限らないです。
調子が良いときもあれば、調子が悪いときもあり、変動があるのが普通です。
そしてトータルするとだいたいの自分の平均値が出てきます。
でもです。
調子の良いときも悪いときも何か作用してませんでしたか?
非常に良い点のとき
非常に良い点を取った原因はもちろん努力もあったでしょう。
でも、何らかの偶然も同時に働いていたはずです。
たとえば、こんな偶然
- 「ここが出るかもしれん!」という勘があたった
- 偶然、直前に見たところが出題された
これらの偶然を差し引くと、いつもの自分の実力の平均値が見えてきませんか?
非常に悪い点のとき
同様に、非常に悪い点のときもなんらかの偶然が同時に働いていたはずです。
たとえば、こんな偶然
- お腹を壊して体調が悪かった
- 風邪を引いて咳がひどかった
- 緊張して前夜眠れなかった
- 遅刻した
これらの偶然を差し引くと、いつもの自分の実力の平均値がみえてきませんか?
ところで、なぜ、平均方向への回帰を注意しないとダメなのかな?
とんでもないことになるから
「どんな極端な結果が出たとしても、でもいずれ自分の平均値に戻る傾向」
をちゃんと理解して自覚していないと、とんでもないことになるからです。
極端な結果を真実だと思ってしまう
たとえば、極端な結果を真実だと思ってしまいます。
ふくカエル
これは大きな大きな誤解です。
この誤解が過剰な期待を生むことなり、さらに自分を束縛したり、追い込んだりします。
たとえば、成功体験です。
たしかに、自分を鼓舞するために成功体験を使うときはいいのですが、
この体験が、ときとして自分の才能を縛り抑圧することもあるのです。
ふくネコ
また、自分への過度の期待が、その後に続く悪い結果を冷静に受け止めることができず、精神的余裕を奪います。
「自分の平均値」へ戻っているだけなのに、過剰に意識してしまうのです。
ふくカエル
ちゃう、ちゃう
いつもの自分に
戻っただけやねん!失望することあらへんよ。
これらは、冷静になって「平均方向への回帰」を自分に当てはめて、分析できていないことから起ります。
処置を唯一の原因だと思ってしまう
それから、一番痛いのは、
平均値へ戻るまでの間でとった「処置(手だて・自分の行動)」を唯一の原因だと思ってしまうことです。
ふくカエル
まったく無関係な「処置(手だて、自分の行動)」を「本当の原因」だと早合点します。
たとえばです。
極端に良い結果を出すと、引き続き何度も極端に良い結果を出すのはむずかしいものです。
そして、いずれは自分の平均値へもどるので、
現実には、自分ではよくないと思う結果が続くことになります。
平均値へ戻るとはいえ、
気分は下降傾向になるんです。
あかん!
このままでは
もっと下がってしまう!
と、たいがいは焦ってしまいます。
そして、その時にとった「処置(手だて、自分の行動)」を
よくない結果をひきよせた「唯一の悪化の原因」だと思っちゃうのです。
ふくカエル
自分の実力の底上げを徹底的にしないと実力の平均値は上がりません。
小手先の「処置(手だて・自分の行動)」をいくらとっても、自分の平均値へ戻ろうする傾向は抑えられないのです。
これは逆も然りです。
極端に悪い結果ばかりの状況から脱出するためにとった「処置(手だて、自分の行動)」を
「唯一の改善の原因」だと思いこんじゃうのです。
ふくネコ
信じ込んでしまう危険性があるから
さらに、「処置(手だて・自分の行動)」を過大評価して、
「原因に違いない!」と頑(かたく)なに信じ込んでしまう危険性があるからです。
たしかに、「処置(手だて・自分の行動)」は少しは功を奏したかもしれないです。
ふくカエル
こうした思い込みは、
間違った「処置(手だて・自分の行動)」を何度も繰り返すことになります。
そして、そのうち大きな失敗をしてしまうことになちゃうのです。
実は、身近でよくある話なんだよ!
実はこの誤解や勘違いですが、身近でよくある話なのです。
不調のどん底にある選手への特訓
たとえば、不調のどん底にある選手の特訓です。
不調のどん底にある選手は、もうそれ以上陥ることはないので、
遅かれ早かれ「その選手の実力の平均値」の調子に戻ってきます。
そのときに特訓と称していろいろな「処置(手だて、行動)」をすれば、
それが「唯一のスランプ脱出の方法」だと強く信じてしまうのです。
必死になればなるほど信じ込みます。
たしかに効果があったかもしれません。
でも本来の実力の平均値に戻っただけでは、その特訓全てがスランプ脱出の原因ではないです。
ふくカエル
有名な選手のスランプ脱出の方法やコンデションの整え方は興味があることがらです。
その方法や整え方に「権威性」がつくと、世間のみんなが信じちゃうことになります。
民間療法・心霊療法
あと一番怖いのが、民間療法・心霊療法です。
身体の調子が悪かった人に特殊な民間療法や心霊治療を施したら、改善したという話はよく聞きませんか?
- この食品を食べたら良くなっただの
- これを使用したら病気が治っただの
- 祈祷したら良くなるだの
これにお金が動くと恐ろしいことになります。
ふくカエル
本当にまったく効果がないか、あったとしてもごくわずかな効果にすぎないです。
幸運グッズ
あと、忘れてならないのが「幸運グッズ」です。
これは自分の幸運とは全く関係がありません。
これに騙されて高額商品を買ってしまう人が後を絶ちません。
そこで必要になる、クリティカルな思考になる第10の原則
第10の原則
そこでです。
こんな怪しいものに惑わされないようにするために、クリティカルな思考になる「第10の原則」をお知らせします。
えっつ?
それってほんまかい?
極端に良い(悪い)成績をとった次は、平均の方向へ戻る傾向あることを忘れるな!
クリティカルシンキングより引用
第10の原則
極端な結果を出したときは
次は平均値へ戻る
ことを肝に銘じておく!
極端に良い結果のときは
次は、悪い結果がでるのが普通なんだと思う
たとえば・・・
巷に流れている怪しげな情報・療法・グッズに遭遇したら、
これは「平均方向への回帰」
なんじゃないの?効果や効能を
過大評価してへんか?
と疑ってください。
具体的には、「平均方向への回帰」の効果を差し引いて考えてみます。
- この効果の部分をきちんと説明できているか?
- この効果の部分を差し引いても、なお効果があると言えるか?
この2点を検討してみるのをお勧めします。
たとえば、不調のどん底にある選手への特訓について
特訓について考えてみると、
その選手のもともとの実力や調子を差し引いても、
なお成長したことを証明できるのであれば、本当に効果のある特訓であると評価できます。
でも、本来の自分の実力の平均値に戻ったぐらいでは、その特訓が功を奏したとはいえないです。
その特訓は「平均方向への回帰」を利用したハリボテ特訓です。
たとえば、民間療法・心霊療法について
身体の調子の悪い人や病気を患っている人は、その日その日の個人の健康の平均値が揺らぎます。
ふくカエル
それに調子の良い悪いの揺れ幅が大きいです。
このような個人的平均値が不確か場合は、「平均方向への回帰」の部分を説明することができません。
「平均方向への回帰」の部分を説明できなれば、差し引いた後の効果があることを立証できません。
なので、民間療法・心霊療法はどこまでいっても疑わしいものになってしまうのです。
ふくネコ
幸運グッズについて
その人の人生に対する前向きな姿勢によりますが、
不運が続く人が、いつもどおりの調子のいい状態にもどれたのであれば、「平均方向への回帰」を利用した「気休めグッズ」になります。
その「気休めグッズ」があってもなくても、いずれは元通りに戻ったことになります。
たとえあまり余る幸運に恵まれたとしても、それはなんらかの偶然と自分の実力が融合したものです。
そもそも幸運とグッズには因果関係がないです。
ここで、ちょっと考えてみませんか?
こんな場合どうする?
ここで、いつものようにちょっと考えてみませんか?
有名なスポーツ雑誌には「奇妙なジンクス」があります。
それはこの雑誌の表紙を飾った選手は、急にスランプに陥るというジンクスです。
このジンクスを恐れて表紙の撮影を断った有名な選手もいます。
あなたはこのジンクスをどう考えますか?
突然のスランプは「平均方向への回帰」で説明できます。
表紙をかざる条件は、素晴らしいすばらしい成績を上げ続けた選手になります。
当然ですが、素晴らしい成績ばかり維持することは非常にむずかしいです。
ふくカエル
なので絶好調の選手が表紙を飾り、
その後、いつもの調子の選手にもどることは別段おかしいことではないのです。
自分の本来の実力の平均値に戻っただけです。
ふくカエル
と思います。はい。
まとめてみたkerokero
- 「原因ー結果」を考えるときにハマる大きな落とし穴がいくつかあります。
- その中の一つに「前ー後論法」があります。
- 「前ー後論法」には4つの注意点があります。
- 今回は4つのうち、「平均方向への回帰」についてお知らせしました。
最後まで、読んでくださってありがとうございます。
またのお越しをお待ちしております。
ふくカエルでした。
なお、クリティカルシンキングの引用文は、宮元博章さん他お三方の日本語訳によりました。