原因ー結果を考えるときにハマる大きな落とし穴 その4
こんにちは!ふくカエルです(Twitterアカウント:ふくカエル)。
ご訪問いただきましてありがとうございます!
今回は、クリティカルシンキング入門篇「あなたの思考をガイドする40の原則」を勉強してみます。
もっと、きちんと くわしく理解したいぞ~~~!
という方には、下記の書籍をご覧いただけるとありがたいです。
実はまだある!大きな落とし穴
前回までは、因果関係について正しく判断できるように、三つの基準について考えてきました。
これで大丈夫!OK !
どんな問題でも
かかってこい!
とは言えないのです。
大きな落とし穴があるんです。
- 錯覚
- 前ー後論法
です。
とくに2の「前ー後論法」はよくハマる落とし穴です。
そして、「前ー後論法」には次の4つの注意点があります。
同時発生の原因・自然の変化した場合についてはこちら
平均方向への回帰についてはこちら
今回は、④の「欠落したケース」についてお知らせします。
ところで、欠落したケースってなに?
欠落したケースとは?
「欠落したケース」とは、
「原因ー結果」の原因分析するときに、
「原因」だけで「結果」まで至らなったケースを評価しないことです。
原因を考えるときに、「欠落したケース」を最初から排除して考えてちゃいます。
たとえば、こんな情報があったとします。
このダイエット方法は効果がありますよ!
こんなに成功例があります!
なんと、最後までやり遂げた人の80%の人が5キロ減量に成功しました!
一見すると、ごく普通の情報ですが、大事なことを排除しています。
途中で挫折した人のことを書いていないのです。
- 最初に何人がダイエット方法に取り組んで
- 何人の人が挫折した
- 何人の人が最後までやり遂げた
という情報が欠落しているのです。
ふくカエル
怪しいぞ?
これは、処置の効果を判定するときに問題になるよ
これは、問題になるよ!
この「欠落したケース」は、処置の効果(「前ー後論法」)を判定するときに問題になります。
先のダイエット方法の例で言うと、
ダイエット方法の効果は本当は小さいのに、すごく効果があるかのように人々を誘導してしまうのです。
たとえば・・・。
たとえばです。
このダイエット方法は効果がありますよ!
こんなに成功例があります!
なんと、最後までやり遂げた人の80%の人が5キロ減量に成功しました!
という情報に、途中で挫折した人のケースをちゃんと入れてみます。
【ケース1】
このダイエット方法は効果がありますよ!
こんなに成功例があります!
途中で挫折した人はたったの10%です。
そして、最後までやり遂げた人の80%の人が5キロ減量に成功しました!
もともとこのダイエット方法を試した人を100人と仮定したら、途中で挫折した人は10人になります。
とすると、
最後までやり遂げた人は90人で、
そのうちの72人が5キロ減量に成功したことになります。
すごすぎるダイエット方法です!
【ケース2】
このダイエット方法は効果がありますよ!
こんなに成功例があります!
実は、途中で挫折した人は60%です。
でもです。
これを最後までやり遂げてくれば80%の人が5キロ減量に成功しました!
となると、
もともとこのダイエット方法を試した人を100人としたら、途中で挫折した人は60人になります。
とすると、
最後までやり遂げた人は40人で、
そのうち32人が5キロ減量に成功したことなります。
う~ん、だいぶん違う!
う~む。違うねんけど!
そうなんです。32人と72人では2倍以上の開きがあるのです。
このように、「欠落したケース」を考慮しないと、ダイエット方法の効果が全然違ってくることになります。
【ケース2】にいたると、
- このダイエット方法は効果がないんじゃないのか?
- むしろ32人の人は別の方法で痩せたんじゃないのか?
と疑ってしまいます。
80%って言って、
ほんまに効果あるんか?
巷の情報は、この「欠落したケース」をワザとに隠しているものが多く、
ずうずうしく「効果、めちゃありまっせ!」と派手に宣伝しているものがあります。
こんな誘導に乗らないように、ちゃ~~んと考えてみないと後で後悔します。
これは、もっと問題になるよ!
もっと問題になるよ!
この「欠落のケース」ですが、
さらに挫折するにいたった理由を細かく分析していくと、
もっと問題になっちゃうのです。
たとえば・・・
先ほどのダイエット方法【ケース2】の例で言うと、
【ケース2】
このダイエット方法は効果がありますよ!
こんなに成功例があります!
実は、途中で挫折した人は60%です。
でもです。
これを最後までやり遂げてくれば80%の人が5キロ減量に成功しました!
で考えると
【ケース3の場合】
挫折した人の60%のうち、
不満でやめた人が10%
転勤などのやむを得ない事情の人が90%です。
という情報があったとすると、
60人のうち6人が不満でダイエット方法をやめたことになります。
100人のうち54人のやむを得ない人を差し引くと、
ダイエット方法に不満でやめた人は46人中6人になります。そうすると、
- 挫折率は、約13%
- 最後までやり遂げる率87%
と、比較的やりやすいダイエット法になるのです。
ところがです!
【ケース4の場合】
挫折した人の60%のうち、
不満でやめた人が80%
転勤などのやむを得ない事情の人が20%です。
とすると、ちょっと事情が変わってきます。
60人のうち、48人が不満でダイエット方法をやめたことになるからです。
もともと100人とすると、ほぼ半数の48人が不満でやめてしまうという、
問題があるダイエット方法になります。
痩せへんのとちがう?
ふくカエル
ふくネコ
つまり、大きく影響する!
つまりです。
「欠落したケース」の内容そのものが、「本当の原因」が何かを推測する上で大きく影響するのです。
ダイエット方法が本当に効果があるのかどうかを判断するときに必要な知恵になります。
そこで必要になる、クリティカルな思考になる第11の原則
処置の前と後での変化を比較する時、グループのメンバーに欠落があるとすれば、測定結果に偏りが生じている可能性が高い。
クリティカルシンキングより引用
こんな風にアレンジしてみた!
第11の原則
ある「処置(手だて・自分の行動)」を施した後の変化を測定するときは、
途中で「欠落したケース」をちゃんと考えないと
測定結果を間違えるよ!
同時に他の3つの注意点も考えるのがいいよ!
この「欠落したケース」をちゃんと考えるときは、
同時に「他3つの注意点」も考えるようにしたほうがいいです。
①同時発生の原因
②自然に変化する原因
③平均方向への回帰
① ダイエット方法を始めたときに、同時に他のダイエット方法もトライしていたときは、
他のダイエット方法の効果を別に検討します(同時発生の原因)。
② 成長期で摂取カロリーよりも消費カロリーが上回って体重が減った場合を検討します(自然な原因)。
③ もともと痩せていて、一時的に太った場合は、本来の体重に戻った場合を検討します(平均方向への回帰)。
などを考えてみます。
ここで、ちょっと考えてみませんか?
こんな場合はどう考えます?
ふくカエル
あなたはとてもダイエットに興味がある人です。
最近、効果絶大で新しいダイエット法が話題を呼んでいます。
この方法を3か月続けていれば、あっという間にスルスルと体重が減るそうです。
このダイエット法のコースをつくったフィットネスクラブでは、
入会時と終了時のフォーアフターを映像にあげて派手に宣伝しています。
とは言っても、中には
- 効果が感じられない
- 時間的に都合が悪い
- 食事制限がつらい
- 必ずリバウンドする
- 指導する担当者と相性が悪い
といった理由でクラブをやめた人が何%かいます。
そこでクエスチョンです!
このやめていった人々は、宣伝でうたわれているダイエット法の結果に影響を与えていると思いますか?
- 時間的に都合が悪い
- 効果が感じられない
- 食事制限など方法がつらい
- 必ずリバウンドする
- 指導する担当者と相性が悪い
- 効果がみられないので、仕事が忙しいとかこつけてやめた
以上のような理由で退会した人がいるなら、
宣伝でうたわれている効果について影響があります。
ふくネコ
その他2~6の理由については、宣伝のダイエット効果から、多少差し引いて効果を考えたほうがいいです。
それに3カ月という期間がミソです。
1,2カ月で効果が出なかった人を引きとめる効果が別に発生します。
「効果はすぐに出るものではなくて、3カ月ぐらいたって始めて目に見えてくる!だから頑張って!」
な~んて引きとめられると「じゃあ、もうちょっとしようか!」なんて続けた人がいるかもしれません。
とすると、実際はもっと退会している人が多いかもしれないです。
この手の宣伝は、ちゃんと目を凝らして考えないと「効果を盛っている部分」があるので注意したほうがいいです。
ふくカエル
【出典:クリティカルシンキング】
クリティカルシンキングの本にはもっと詳しく書いてありますよ。
まとめてみたkerokero
- 「原因ー結果」を考えるときにハマる大きな落とし穴がいくつかあります。
- その中の一つに「前ー後論法」があります。
- 「前ー後論法」には4つの注意点があります。
- 今回は4つのうち、「欠落したケース」についてお知らせしました。
最後まで、読んでくださってありがとうございます。
またのお越しをお待ちしております。
ふくカエルでした。
なお、クリティカルシンキングの引用文は、宮元博章さん他お三方の日本語訳によりました。