4章「自分自身のことを考えてみる」をまとめてみました。
こんにちは!ふくカエルです(Twitterアカウント:ふくカエル)。
ご訪問いただきましてありがとうございます!
今回は、クリティカルシンキング入門篇「あなたの思考をガイドする40の原則」を勉強してみます。
もっと、きちんと くわしく理解したいぞ~~~!
という方には、下記の書籍をご覧いただけるとありがたいです。
ふくカエル
自分自身のことを考えてみる
自分自身のことも大事
日々の暮らしの中で、他人との関わりあいを理解する上で、
たしかに、他人の行動の理由や動機をきちんと理解しておくことは大事です。
でも、それだけでなく、自分自身の行動の理由や動機をきちんと理解しておくことも大事です。
分かっているようで分かっていない!
なぜならです。
いざ、自分自身のことを理解しようとなると、これまた、大変むずかしいのです。
ふくカエル
ふくネコ
自分でも気づいていないうちに
- 自分を守るために、自分自身を誤魔化す
- 自分をだます
ことがあるのです。
そこで、自分自身のことを的確に把握することが必要になる
そこで、自分自身のことを的確に理解することが必要になってくるのです。
具体的には、理解するときの方法と注意点です。
ちなみに、タイムラインはこれ!
ちなみに、自分自身のことを的確に理解するための方法、タイムラインは次のようになります。
まず、人は、自分自身を好ましく考えたい傾向があるので注意します。
なので、どうしても自分自身をだましたり誤魔化したりします(自己欺瞞)。
自己欺瞞にはプラスの作用とマイナスの作用があるので注意します。
- プラスの作用:自尊心の維持や抑うつに対抗してくれます。
- マイナスの作用:自滅行為をとったり、非合理的な行動をしがちになります。
次に、自己欺瞞の具体的な働きとして、ポジティブな自己概念を守る働きがあります。
- 自己奉仕バイアス(自己防衛バイアス・自己高揚バイアス)
- 認知的不協和の解消(合理化・公正世界仮説)
- 自己ハンディキャッピング(行動化・自己報告)
また、抑うつをもたらす原因帰属は次のような原因になります。
- 内的原因
- 安定的
- 全体的
これらのネガティブな結果を引き起こす原因がコントロール不能になると、無力感や抑うつに引き起こすこととなります。
そして、自滅的な自己欺瞞から抜け出すには、次のチャートのように考えます。
自分自身をどう考える?
自分で自分の行動の理由や動機をきちんと理解するときに、
人は、自分自身のことだからちゃんと理解しているし、間違うはずはないと思いがちです。
自分自身を好ましく考えたい!
でもです。
人は、自分自身を考えるときにどうしても、「自分の理想」と
「現実」をごちゃ混ぜにしてしまいがちなのです。
ついついやってしまうのが、ついつい自分自身を甘く評価しちゃうことです。
自己欺瞞(じこぎまん)
人々が知らず知らずのうちに自分に都合の良いようにものごとを歪めて解釈することを自己欺瞞(じこぎまん)といいます。
たとえば、
人は、自分のことを「平均以下」とは考えません。
統計上は、みんながみんな「平均」であるわけがないのに、自分は「平均以上」と考えちゃうのです。
さらに次のようなことをやっちゃいます。
- 他の人もたいてい自分と同じ意見を持っているものと考える
- 自分がおかした非論理的な行為は他の人も同じようにおかしているものと考える
- 自分が大ケガや大病をしたり、災難に遭ったりする可能性を考えない
- 自分のした「良い行ない」が、実際には平凡なことだったりするのだが、これを過大に自己評価する
- 自分の判断や意見(信念)を正しいものと思いこむ
あたくしは、
そうではありませんことよ!
な~んて平気で言っちゃう。
ふくカエル
自己欺瞞の働き
実は、自己欺瞞には、プラスの働き(作用)とマイナスの働き(作用)があります。
プラスの働き(作用)は、自尊心の維持や抑うつに対抗してくれます。
マイナスの働き(作用)は、自滅行為をとったり、非合理な行動をしがちになることです。
自己欺瞞のプラスの働きとは?
ポジティブな自分自身を守るための働き
自己欺瞞のプラスの働きとして、ポジティブな自分自身を守る働きがあります。
アイデンティティ(自我同一性)が危機にさらされたときに、ポジティブ(好ましい)な自分を維持してくれます。
アイデンティティとは「自分はこういう人間なんだ!」という自分概念のことです。
具体的には、次の3つの働きがあります。
- 自己奉仕バイアス
- 認知不協和の解消
- 自己ハンディキャッピング
1.自己奉仕バイアス
まず、自己奉仕バイアスです。
自己奉仕バイアスとは、自分自身をポジティブ(好ましく)、都合のいいように解釈する傾向のことです。
- 自分のアイデンティティが危機にさらされたとき
- 自分にとってネガティブ(都合の悪い)ことが起きたとき
この自己奉仕バイアスによって、自分のアイデンティティを守ることができます。
自己奉仕バイアスには、大きくわけて次の二つの方法があります。
- 自己防衛バイアス
- 自己高揚バイアス
自己防衛バイアスとは、ネガティブな(都合の悪い)ことについては、自分を守るように原因帰属します。
原因帰属とは、原因がどこにあるのかを考えることです。
自己高揚バイアスとは、ポジティブな(都合の良い)ことについては、自分をおだてるように原因帰属します。
このように、自分を誤魔化したり、だましたり、こじつけたりする(自己欺瞞)ことで、ポジティブ(好ましい)自分を維持するのです。
2.認知的不協和の解消
次に、認知的不協和の解消です。
認知的不協和とは、
一人の人が同時に二つの心理的に相いれない認知(考え、態度、信念、意見)を抱いたときに生じる緊張状態をいいます。
ふくカエル
Aronson, E. (1984). The social animal.
認知的不協和は、次のような状況で起こります。
- 自分がわざわざ愚かなことをしてしまった状況
- 自分が他人を傷つけてしまった状況
このような状況に陥ったときに、自分の中で
- 好ましい理想の自分
- 現実の愚かな自分
との矛盾や緊張状態が生じてしまうのです。
そこで、矛盾や緊張状態を少しでも解消するために、自分を誤魔化したり、正当化する(自己欺瞞)のです。
たとえば、次の二つの方法があります。
- 合理化
- 公正世界仮説
です。
合理化とは、甘イレモンの合理化とすっぱいブドウの合理化と呼ばれるものです。
甘いレモンの合理化とは、
自分が選んだレモン(もの)のポジティブな面を強調して、ネガティブな面を無視することです。
ふくカエル
と思うことです。
すっぱいブドウの合理化とは、
逆に自分が選ばなかったブドウ(もの)のネガティブな面を強調して、ポジティブな面を無視することです、
ふくネコ
と思うことです。
公正世界仮説とは、
世の中は公平にできており、正しい者は救われて、悪しき者は必ず罰を受けるはずだという因果応報的な考えが基礎になっている仮説です。
誰かがなんらかの被害を受けたときに、それはその人にその被害をうけるに値する罰があったからだという理屈を立てるのです。
Lerner, M.J. (1970).
The desire for justice and reactions to victims. In J. Macaulay & L. Berkowitz (Eds.), Altruism and helping behavior (pp. 205–229). New York: Academic Press.
Lerner, M. J., & Miller, D. T. (1978).
Just world research and the attribution process: Looking back and ahead. Psychological Bulletin, 85(5), 1030-1051.
もちろんこの理屈は正しくないです。
でも、日々の暮らしの中で起こる不条理なことへの理屈をつくることで、ポジティブ(好ましい)自分を維持できるのです。
3.自己ハンディキャッピング
そして、自己ハンディキャッピングです。
自己ハンディキャッピングとは、実際に失敗する前に、失敗したときのために言い訳をあらかじめ用意しておくことです。
言い訳をあらかじめ用意することで、ポジティブ(好ましい)自分を維持します。
自己ハンディキャッピングには、
- 行動化
- 自己報告
の区別があります。
自己ハンディキャッピング行動とは、実際に自分にとって不利になるような行動をとることです。
ふくカエル
自己ハンディキャッピング自己報告とは、
実際に行動するのではなく、失敗したときの言い訳をあらかじめ人に言っておくことです。
でもです。
自己ハンディキャッピングは根本的な問題解決への道を自分で閉ざすことになるので、
できるだけ避けたほうがいいです。
抑うつをもたらす帰属とは? 自己欺瞞のマイナスの働きとは?
自己欺瞞のマイナス具体的な働きとして、抑うつをもたらす働きがあります。
抑うつ症とは、
- 憂うつな気分
- 劣等感
- 無力化感
などが持続し、何もする気が起こらなくなる心理状態です。
抑うつの原因帰属とは?
抑うつ症になりやすい人は、自分にネガティブなことが起こると、
- 内的(自分のせい)
- 安定した(いつもそう)
- 全体的(なんでもそう)
と原因帰属する傾向があります。
どうせ自分はバカだから・・・
ずっとこの状態が続くに違いないから
あれもこれも全部自分が悪いから
と、原因を内側に永続的に続くと考えてしまう傾向があるのです。
コントロール不可能がさらに悪化させる
そして、これらの原因がコントロール不可能になってしまうと、さらに無力感や抑うつ状態が続き、症状を悪化させるのです。
そこで、自滅的な自己欺瞞から抜け出すには?
まず自分を守るか非難するか
まず、ネガティブな事態に直面したときは、
- 自分を守る(自己防衛)か
- 自分を非難(自己非難)するか
を考えます。
たしかに、自己欺瞞は、自尊心を守り、自分を守る効果があります。
でもです。
その効果は一時しのぎにすぎず、ネガティブな事態の根本的な解決にはならないのです。
それに、自己欺瞞もマイナス(悪く)働くと、抑うつになります。
なので、ここは自己非難を考えます。
自分の責任の追求から入ります。
次に、非難するのは自分の性格か行動か
次に、自分の責任を追求するさいに
非難するのは
- 自分の性格(性格論的自己非難)か
- 自分の行動(行動的自己非難)か
を考えます。
自分の性格を非難し、ネガティブな結果の原因は
- 内的
- 安定した
原因であると考えると、
問題解決を生産的に考えられず、次第に抑うつ状態になってしまいます。
ここは、自分の行動を非難し、ネガティブな結果の原因は、
- 内的
- 変化し得る
原因であると考え、あくまでも自分のとった行動に焦点を絞るのがいいです。
すると当然のように、問題解決は自分の行動を見直せばすむことになり、生産的に考えられるようになります。
そして、見直す!
そして、自分の行動を具体的に見直します。
- 努力
- 目標
まず、努力を見直す!
まず、「変化し得る」原因である努力を見直します。
具体的には、
「ネガティブな結果の原因は努力にある」と考える習慣を身につけるようにします。
なぜなら
- 素質や才能の面での凡庸さを努力によって克服してきた人が多いから
- 努力は続けているうちに、やがて能力にな得るから
- ネガティブな結果の原因を努力にすると効果があるから
とイメージしやすいからです。
Dweck, C. S. (1975).
The role of expectations and attributions in the alleviation of learned helplessness. Journal of Personality and Social Psychology, 31(4), 674-685.
Wilson, T. D., & Linville, P. W. (1985).
Improving the performance of college freshmen with attributional techniques. Journal of Personality and Social Psychology, 49(1), 287-293.
Rodin, J., & Langer, E. J. (1977).
Long-term effects of a control-relevant intervention with the institutionalized aged. Journal of Personality and Social Psychology, 35(12), 897-902.
さらに、努力の質と量の面で考え直します。
- 自分は十分に努力したといえるか?
- 自分の努力の仕方は本当に効果的(効率的)だったのか?
次に、目標を見直す!
次に、目標を見直します。
具体的には、
- すべての人に認めらえる
- 完璧にやり遂げる
- 完全に制覇する
といった非合理な目標を抱いてないかチェックします。
そして、
- 自分の本来の目標
- 才能にあった目標
- 困難な目標は小さく目標を分ける
などを考え目標を見直し、新たに設定し直します。
まとめてみたkerokero
- クリティカルシンキング4章「自分自身のことを考えてみる」ことについてまとめてみました。
最後まで、読んでくださってありがとうございます。
またのお越しをお待ちしております。
ふくカエルでした。
なお、クリティカルシンキングの引用文は、宮元博章さん他お三方の日本語訳によりました。