ステレオタイプをつくるときの危険性について
こんにちは!ふくカエルです(Twitterアカウント:ふくカエル)。
ご訪問いただきましてありがとうございます!
今回は、クリティカルシンキング入門篇「あなたの思考をガイドする40の原則」を勉強してみます。
もっと、きちんと くわしく理解したいぞ~~~!
という方には、下記の書籍をご覧いただけるとありがたいです。
今回から第3章「他人の行動を説明する」です。
誰でもあるある!
こんなことないですか?
- ある集団に属している人に何度も接したり
- その集団の情報を見聞きしたり
すると次第に
どんな人達なのか?
どんな集団なのか?
を類型化していくのです。
一定の枠組みにはめこみ、ステレオタイプを形成するのです。
多くの人に浸透する先入観、思い込み、固定概念など、類型化された考えのことです。
たとえば、
あるサークルに興味があって、参加しようかどうかを決めようとするときです。
まず、サークルの人と接触して、
- どんな活動をしているのか?
- どんな人が参加しているのか?
探りを入れます。
で、自分の中で「だいたいこんな傾向のある、雰囲気のあるサークルだな!」と類型化します。
- カルチャーセンター
- いろいろな同好会
- 地域のコミュニティ
これらのステレオタイプを形成しておくと、いろいろと役立つことがあります。
利点については、こちらをどうぞ!
でも、4つの危険性がある!
でもです。
このステレタイプを形成するときに、5つの危険性があるのです。
1.偏った情報だけで形成してしまう!
まず、その人達や集団についての情報が均等ではなくて、偏った情報だけで形成してしまう危険性です。
たとえばこんな偏った情報
- 重視される情報
- 無視・歪曲される情報
このように偏った情報によって、ステレオタイプを形成してしまうと、
誰にでも当てはまるとは限らない、非常にあやふやなステレオタイプになってしまうのです。
ふくカエル
2.初頭効果が影響してしまう!
次に、初頭効果が影響してしまう危険性です。
人の印象を形成する時に、後の情報よりも最初の情報が重視されるというものです。
たとえば「一目惚れ」などの第一印象です。
どんなに後の情報が第一印象と矛盾しても、
印象がひとたび形成されてしまうと、簡単には印象をひっくり返すことができないのです。
Asch.S.E(1952)Social psychology
ステレオタイプを形成するときも、同じような問題が生じるのです。
初頭効果が影響してしまうと、後から「どんなに変な集団」だと分かっても、ステレオタイプを変えようとしないのです。
間違っているステレオタイプを守り通すことになります。
3.目立つ手掛かりや特徴で形成してしまう!
また、どうしても
- 目立つ手掛かり
- 最も目につく特徴
を重要なものとして、ステレオタイプを形成してしまう危険性です。
なので
こんな失敗を引き起こします。
たとえば、就職の面接時です。
本当は仕事の能力がどれほどあるかを判断しなければならないのに、
企業の採用担当者がやりがちなのが、
能力とはあまり関係のない、
最初に目につく「容貌(見た目の美しさ)」を重視してしまうことです。
ふくカエル
このような目立つ特徴は、周囲の状況で簡単に左右されてしまうのです。
立つ特徴ばかりに引きずられてステレオタイプを形成すると、
周囲の状況で簡単に基準がぐらつき、すべてに通用しないあやふやなステレオタイプになります。
4.錯覚に基づいて形成してしまう!
さらに、錯覚に基づいてステレオタイプを形成してしまう危険性です。
個人の目立つ特徴は、状況の目立つ特徴を結びつくと錯覚を起こすからです。
ふくカエル
ふくネコ
- 個人の目立つ特徴:暴力犯罪
- 状況の目立つ特徴:少数派集団
が結び付くとこの錯覚を引き起こします。
最近では、
- 個人の目立つ特徴:凶悪犯罪
- 状況の目立つ特徴:引きこもり
とを結びつけて、過剰反応してしまった場合がありました。
ひきこもり、とくに中高年のひきこもりすべては凶悪犯罪の予備軍だと言わんばかりの世評がありました。
この錯覚ですが、個人に限らずマスメディアにもあるのです。
犯罪の報道をする時に、犯人や容疑者の目立った特徴のみ取り上げてしまうのです。
さきの50代のひきこもりを問題にするのもマスメディアの偏った報道にありました。
たとえば、ある犯罪を犯した男性について
- 会社員
- 鉄道模型が趣味
- 子どもが三人いる
- 不眠のために精神科に通院したことがある
と4つの情報があったとした場合。
マスメディアは、「凶悪犯人は鉄道ファン!」とは書かないです。
たぶん「凶悪犯人は精神通院歴あり!」と書くことが多いです。
このような報道は、非常に罪深いものです。
危険なステレオタイプを使うと、どうなるのかな?
立場の違いからの誤解が生じる
危険性があるステレオタイプを使うと、
どんな立場から他人の行動を見るかによって誤解が生じます。
たとえば、内集団と外集団からくる誤解
たとえば、「内集団」と「外集団」と区別することからくる誤解です。
「内集団」とは、自分がメンバーである集団のことです。
たとえば
- 大学生
- サークル
- 血液型がAB型
- 日本人
「外集団」とは、自分がメンバーではない集団のことです。
たとえば、上の例で考えると
たとえば、
- 教師
- 他のサークル
- 血液型がB型
- 外国人
二種類の誤解がある
この「内集団」と「外集団」の立場の違いからくる誤解には、二種類の誤解があります。
一つは、こんな誤解です。
「内集団」のメンバーは、ひとりひとりが個性的な存在であると考えてしまう。
「外集団」のメンバーは、ひとまとめに括(くく)って考えてしまう。個性を重視しないのです。
あの人たちは似てるけど、
わたし達はひとりひとり個性的よねっ!
ねーっ!
海外旅行者は、たまたま通りすがりに人に親切にしてもらうと、その国の人はすべて友好的だと考えます。
ふくカエル
ふくネコ
もう一つの誤解は、
「外集団」のメンバーの行動は、
「内集団」のメンバーの行動に比べてより極端に評価します。
たとえば
- A集団(あなたが所属している集団で、内集団)
- B集団(外集団)
があったとします。
ここでは「集団」を大学として、
いきなりクエスチョンです!
あなたはA大学の学生です。ライバル校のB大学のことをあまり良く思っていません。
もし、B大学の学生が何か悪いことをしたとします。
あなたなら、どう思いますか?
たいがいの人は「たいへん厳しく評価します」
えっつ!
そんなことしたらアカンやん!
信じられへん!
なんでそんなアホなことするん?
ってな感じだと思います。
でもです。
逆に、あなたがB大学を好ましく思っていた場合、
もし、B大学の学生が何か良いことに貢献したとすると、
どう思いますか?
やっぱりな~!
天下のB大学やね!
すばらしい学生がいるねんなあ。大変好意的に評価すると思います。
二段階の間違いに注意する
人は、たいがいの場合は、
最小限の情報からすぐに原因がどこにあるのかを判断します。
ですが、原因を判断する時に二段階の間違い(錯誤)をするので注意します。
まずは、個人の行動から判断するとき
まずは、
- 自分の行動か?
- 他人の行動か?
から原因を推測するときに間違えるのです。
次のような間違いをする傾向があるので注意します。
- 自分の行動は「外的原因」に敏感になりやすく
- 他人の行動は「内的原因」を強調しがちになります。
たとえば、
女性蔑視の男子学生が、
試験で自分の点数よりもいい点をとった女子学生がいると、
カンニングしたに違いない!
教授に試験問題を教えてもらったんだな!
下品な勘ぐりをします。
彼女の能力が自分よりも高いことを決して認めないのです。
ふくカエル
逆に、試験で自分の点数よりも悪い点をとった女子学生がいると、
ほ~ら、やっぱりな。
女性は生まれつき頭が良くないんだよ。
って思って、彼女が運が悪かったとか、体調が悪かったなどとは考えないのです。
次に、帰属する集団から判断するとき
次に、
- 相手が自分の集団(内集団)のメンバーか?
- 相手が他人の集団(外集団)のメンバーか?
から原因を推測するときに間違えるのです。
そして、次のような間違いをする傾向があるので注意します。
- 「外集団」のメンバーが成功したときは、外的原因(状況)とする
どうせ、運が良かっただけだよ。
べつに才能や努力が
実ったわけじゃないよ。
- 「外集団」のメンバーが失敗したときは、内的原因(本人の能力)とするのです。
やっぱり無謀な挑戦だったんだよ。
たとえば、
女性蔑視の男子学生が、
試験で友だちの男子が悪い成績をとると
彼は運が悪かっただけなんだよ。
単に勉強不足だったよ。
あの教授、女性に甘いんだよ。
文句を言うかもしれません。
逆に、試験で友だちの男子学生が良い成績をとると
ほ~ら、やっぱりな。
男性のほうが優秀なんだよ!
と本人じゃないのに、威張るのです。
ふくカエル
そこで必要になる、クリティカルな思考になる第17の原則
自分の属する内集団の人の成功は内的に、失敗は外的に帰属し、逆に、外集団の人の成功は外的に、失敗は内的に帰属する差別的な帰属錯誤を改めよ。
クリティカルシンキングより引用
こんな風にアレンジしてみた!
第12の原則
集団の固定概念(ステレオタイプ)で原因を判断するとき、
次のような間違いをするから注意してね!
自分の属する「内集団の人」について
- 成功は、その人の実力、優れていたから
- 失敗は、運や悪状況だったせい
逆に自分が属さない「外集団の人」について
- 成功は、運やたまたま好状況だったから
- 失敗は、その人の実力不足
まとめてみたkerokero
- ステレオタイプをつくるときには4つの危険性があります。
- 危険なステレオタイプを使うと誤解が生じます。
- 個人の行動から原因を考える場合、帰属する集団から原因を考える場合、間違いをする傾向があるので注意です。
最後まで、読んでくださってありがとうございます。
またのお越しをお待ちしております。
ふくカエルでした。
なお、クリティカルシンキングの引用文は、宮元博章さん他お三方の日本語訳によりました。