スキーマって知ってますか? 知っておくと「あ~、これね」となるよ。
こんにちは!ふくカエルです(Twitterアカウント:ふくカエル)。
ご訪問いただきましてありがとうございます!
今回は、クリティカルシンキング入門篇「あなたの思考をガイドする40の原則」を勉強してみます。
もっと、きちんと くわしく理解したいぞ~~~!
という方には、下記の書籍をご覧いただけるとありがたいです。
今回から第3章「他人の行動を説明する」です。
ところで、スキーマってなに?
スキーマってなに?
スキーマってなに?
スキーマとは、かなり複雑で一般的な概念についての知識構造のことを言います。
ふくカエル
Zechmeister,E.B Nyberg,S.E.(1982)Human memory
はあ? なに?
むずかし過ぎて分からんのやけど
ふくカエル
なので、イメージを書いてみました。
ふくネコ
スキーマは、
膨大な情報があるときに、
情報を単純化することで、
情報を理解したり、
後で思い出したいときに役立つものです。
ちょっと考えてほしいのです!
ふくカエル
ふくネコ
ふくカエル
以下のような男性がいました。
- 背が高い
- ロマンスグレー
- 白衣を着てる
- サンダル履いている
- 遠近両用メガネをかけている
- 右目の上にほくろがある
- 左手には指輪
- 白衣の袖には小さな焦げがある
- 胸のポケットにはボールペンが突っ込んでいる
あなたは、大学の食堂で食事をしていました。
最初は、彼に気づていなかったのですが、
彼が、突然店員と口論を始めたため、ちょっとビックリして注目しちゃいました。
彼は標準語で怒りながら、それでも理路整然としゃべってました。
ちなみに、彼は以下のものを持ってました。
- 赤いカバーの洋書
- 試験の解答用紙の束
- 製薬会社のロゴの入った大きな封筒
- テニスのラケット
あなたは、
彼はどんな人だと思いますか?
解答用紙・白衣・製薬会社の封筒に注目し、ほくろやラケットを無視します。
理路整然としゃべり、やや年配の白衣を着て、解答用紙を持った人物であると情報をまとめます。
理路整然としゃべり、やや年配の白衣を着て、解答用紙を持った人物が、自分が抱いている医学部教授の概念(イメージ)と一致させます。
- 解答用紙を持っている → 教授?
- 白衣を着ている → 理系?
- 製薬会社の封筒を持っている →医学部?
きっと医学部の先生に違いない!と思い込むのです。
そして重要なことは、ほとんどの人は、
自分の概念に一致し、自分の好奇心が満たされた時点で、
もうこれ以上彼を
- スポーツマン、遠視、東京育ちの既婚の医者
- 白衣の焦げ跡から、理学部か工学部で有機化学の実験をしている
- ロマンスグレーでも、実は大学院生で、解答用紙はアルバイト先の予備校のものだった
とは、考え直したりしないことです。
情報の単純化とは?
- 注意をしぼる
- 情報をまとめる
ことで、膨大な情報を利用可能なものとして単純化できます。
でも、スキーマには5つの重要な影響があるよ!
このように、
膨大な情報を単純化して自分の概念(イメージ)に当てはめることで、情報処理に役立ちますが、
いったん形成されるとその後の情報の処理に重要な影響を与えます。
1.一致しない情報よりも一致する情報
まず、いったんスキーマを形成すると、
スキーマに「一致しない情報」よりも「一致する情報」により多くの注意を払うようになります。
一致しないより、
一致する情報だよね!
たとえば、
医学部の教授だと思った人が、
どんなに、ちょくちょく文学部の棟に入っていたとしても
文学部の棟に入るよりも、病院に入るところに注意がいってしまうのです。
医学部の教授だから、
文学部よりも病院に入るところに
目につくよね!
2.一致しない情報を受け入れにくくなる
次に、いったんスキーマを形成してしまうと、
スキーマと一致しない情報を受け入れにくくなります。
たとえば、
医学部の教授と思った人と、毎日、文学部の棟の近くですれ違ったとしても、
「心理学の教授」とは考え直さないのです。
文学部に親しい友人がいるんだな?
と都合よく思っちゃうのです。
ふくカエル
ふくネコ
3.一致する情報の方が、記憶されやすい
また、いったんスキーマを形成してしまうと、
スキーマと一致する情報の方が記憶されやすいです。
医学部の教授だと思った人が、テニスのラケットを持っているよりも、
白衣を着ていたことの方を記憶しており、思い出しやすいのです。
4.スキーマと一致するように記憶を歪める
さらに、いったんスキーマを形成してしまうと、
スキーマと一致するように記憶を歪めることがあります。
たとえば、
医学部の教授だと思った人が、持っていた本のタイトルなど見もしなかったのに、
勝手に「病理学」の赤い本だと思い込んで、記憶を歪めてしまうのです。
5.いったん形成されると、修正ない
そして、いったんスキーマを形成してしまうと、
あとから出てきた情報によって、スキーマを変えたり、修正したりすることがほとんどないのです。
偏見が一度でもできると、
よほどなことがない限り、その偏見は頑固に自分の中に居続けるのです。
「この手の人間は悪人だ!」と一度でも思っちゃうと、
この手の人間全員は、犯罪傾向があると勝手に思っちゃうのです。
- たとえどんなにいい人がいても
- 犯罪の統計ではそのようなことがないということが分かっても
横目でちらっと見ただけで、その事実を無視しちゃうのです。
犯罪の統計も、
情報操作かもしれん!
と思うのです。
そこで必要になる、クリティカルな思考になる第18の原則
自分でも気づいていないなんらかのスキーマにとらわれているはずだという自覚をもて。
クリティカルシンキングより引用
こんな風にアレンジしてみた!
第18の原則
たしかに、スキーマはいろいろと役立つけど、
でも、スキーマに影響されすぎて「間違えているはずだ!」
と自覚することは大事だよ!
ここで、ちょっと考えてみませんか?
こんな場合はどう考えます?
わたし達は、生きていると何らかの差別を受けることがあります。
差別の中心は、人をステレオタイプ的に分類することです。
- 外国人
- 女性
- エリート
- お金持ち
- 不良
- 能力が低い人、など
相手を「生きている人間」と考えるよりも、スキーマによって、
「単純化されたもの」として扱おうとします。
ふくカエル
ふくネコ
そうなのですが・・・!
いい機会なので
ちょっとここで、
考えてみませんか?
あなたが、今まで差別(ステレオタイプ化)された事はなかったですか?
それはどんなものでしたか?
ふくカエルはですね。
あるゼミに参加したときに次のようなステレオタイプ化に遭遇しました。
- この人は低能だ!
- こんな問題も理解できないレベルだ!
相手は、あなたのどこを見て差別したのでしょうか?
たぶん、出された課題を前もってちゃんと予習せずに、ゼミに参加してしまったからです。
努力せずに参加することは、ゼミをバカにしていると思われたのだと理解してます。
相手が、無視したり、歪めたあなたの特徴はなんでしょうか?
実は、いつもは課題を予習していたのですが、
たまたまその日に限って準備してなかったのです。
あなたは差別されて、どう感じましたか?
ステレオタイプ化されると、
自分から個性を奪われるような感覚に襲われるので、本当に悲しくなります。
「そうじゃない!」と釈明できない不満でいっぱいになります。
でも、声を荒立てて釈明するのは大人げないことなので、結局、無気力感に襲われました。
あなたが、他人を差別(ステレオタイプ化)しそうになったとき、どんな感情ですか?
他人を「こういうタイプだな!」と類型化しそうになったときは、
相手を「人間」ではなく「ひとつの類型」として扱っている自分がいます。
とくに芸能人を類型化しているときが多いです。
個人としての尊厳を踏みにじっている態度や
それをなんとも感じない自分がいます。
自分の感情に気づくことはなぜ大切なのでしょうか?
自分が他人をステレオタイプ化ときの
おごり高ぶった態度や感情に気づけば、
人を簡単にステレオタイプ化することが、
いかに失礼で人を傷つけるものであるかを
頭だけでなく心から理解することができます。
まとめてみたkerokero
- スキーマは、膨大な情報があるときに情報を単純化することで、情報を理解したり、後で思い出したいときに役立つものです。
- しかし、5つの重要な影響があります。
- スキーマに影響されすぎて、間違いをしないように自覚することが大事です。
最後まで、読んでくださってありがとうございます。
またのお越しをお待ちしております。
ふくカエルでした。
なお、クリティカルシンキングの引用文は、宮元博章さん他お三方の日本語訳によりました。