帰納(きのう)的議論が正しくないと評価できる5つの典型例について
こんにちは!ふくカエルです(Twitterアカウント:ふくカエル)。
ご訪問いただきましてありがとうございます!
今回は、クリティカルシンキング実践篇「あなたの思考をガイドする50の原則」を勉強してみます。
この記事は、あくまでもわたしの個人的な解釈に基づくものです。
中には、「これ違うんじゃないの?」という箇所もあるかと思います。
温かい目でお見逃しくださいますよう、よろしくお願いします。
もっと、きちんと
くわしく理解したいぞ~~~!
という方には、下記の書籍をご覧いただけるとありがたいです。
今回から第9章「良い議論と悪い議論」です。
日々の暮らしの中で欠かせないものの一つに、「議論する」ことがあります。
自分の決定が正しいことを他人に納得させることが、必要な場面が出てきます。
そんなときこそ、クリティカルな思考力が必要になってきます。
思考力をうまく使えば、次の2つのことが可能になります。
- 自分の考えを論理的で説得力のある方法で主張できる
- 他人の主張や議論を適切に評価できる
ふくカエル
前回は、
前回では、帰納(きのう)的議論がどれぐらい正しいかを評価する3つの基準
- 前提が真か、もしくは容認できること
- 前提と結論との間に適切な関連性があること
- 複数の前提が共同して、結論の可能性を高める十分な根拠を構成
のうち1の認容可能性について、
さらに、認容可能性があると評価できる5つの典型例について
お知らせしました。
今回は、
逆に、認容可能性がないと評価できる5つの典型例についてお知らせします。
実は、認容性可能性があると評価できる5つの典型例と同じように、
認容可能性がないと評価できる5つの典型例があります。
5つの典型例について、認容可能性がある場合との相違点は何かな?
相違点
相違点は、おのおの場合で、典型例と合致する条件が違います。
認容可能性があると評価できる場合
認容可能性があると評価できる場合は、
5つの典型例の
- 1つ、
- あるいは複数
に合致すれば、認容可能性があります。
ふくカエル
認容可能性がないと評価できる場合
認容可能性がないと評価できる場合には、
この5つの典型例のうち、
- 少なくとも1つ
に合致すれば、認容可能性がないです。
ふくカエル
ふくネコ
じゃあ、具体的に、認容可能性がないと評価できる5つの典型例とは?
5つの典型例は、これ!
- 利用可能な証拠や事実と直接に矛盾する前提
- 信頼できる情報源からの情報と相いれない前提
- その議論の文脈の中で適切に擁護できない疑わしい前提
- 同じ議論の中の別の前提と矛盾もしくは対立する前提
- 漠然としてはっきりしない、理解不能な言葉で表現されている前提
1.矛盾する前提
2.相反する前提
3.疑わしい前提
1.利用可能な証拠や事実と直接に矛盾する前提
2.信頼できる情報源からの情報と相いれない前提
3.その議論の文脈の中で適切に擁護できない疑わしい前提
まず、主張している前提が
- 証拠や事実と矛盾している
- 信頼できる情報とは違う
- 疑わしくて擁護できない
場合には、帰納(きのう)的議論の前提として認容できません。
ふくネコ
じゃあ、どうする?
前提が
- 矛盾
- 違う
- 疑わしい擁護できない
とイマイチ怪しいときは、
まず主張する側が、理由や根拠を示すべきです。
なぜなら、主張する側に理由や根拠を示す責任があるからです。
ふくカエル
なので、
- 主張の根拠を十分に示す
- 根拠となる情報や証拠が、直ぐに確かめることができるように状況を整えておく
ことが必要になってきます。
避けるべきことは、これ!
もちろんここでも、次のようなことは避けるべきです。
- こんな根拠は誰も分かるからと、説明を省略しちゃう
- この情報はだれでも検索すれば分かるからと、聞き手側で調べてもらうことを期待する
1.なぜ、省略するとダメなのかな?
「誰でも分かる!」からといって、根拠の説明を省略すると、
聞き手を置いてきぼりにする、不毛な議論になるからです。
自分にとっては当然の知識であっても、聞き手側にとっては未知の知識であることは普通にあります。
こんなの言わなくても
分かるだろう?と思っていたも、
えっつ?何に言ってんの?
分からへんねんけどということが
普通にあるのです。
- 自分の知識
- 相手の知識
が全く同じだと思わないことが一番です。
ふくカエル
2.なぜ、期待するとダメなのかな?
人は、相手が主張していることに余ほどの興味が湧かない限り、
自分から積極的に、好意的に情報を調べようとは思わないからです。
なので、
- きっと、情報を検索してチェックしてくれるだろう!
なんて甘い期待をしてはいけません。
情報の入手を、聞き手まかせにしていると、
誤解を広げて議論が間違った方向に進みます。
議論で示した別の前提と矛盾する前提
4.同じ議論の中の別の前提と矛盾もしくは対立する前提
次に、
- すでに示している前提と矛盾する前提がある
場合には、
帰納(きのう)的議論の前提として認容できません。
たとえば、こんな場合
ある死刑賛成論者が「人の命ほど尊いものはこの世にない。だから人の命を奪った者は、死をもって償うより他にはない」と論じたら、これは矛盾している。
前提1: 命は尊い
前提2: 人の命を奪った者は命を奪われる
結論: 死刑は正当化できる
これは、命は大事だと言っておきながら、命を奪うことを正当化している主張になります。
こんな前提に気づいたら、どうする?
こんな議論だと気づいたら、すぐに矛盾を指摘して、
主張する側に、矛盾を解消するように求めたほうがいいです。
何を主張しているのか分からない前提
5.漠然としてはっきりしない、理解不能な言葉で表現されている前提
さらに、
- 何を主張しているのか分からない前提
場合には、帰納(きのう)的議論の前提として認容できません。
じゃあ、どうする?
もちろん、聞き手側が何を言っているのか説明を求めてきた場合に、
ちゃんとかみ砕いて、分かりやすく説明できれば、
認容可能性があると評価できます。
なので、主張する側は、聞き手が理解できているのかを尋ねるのがいいです。
ぼくの主張していることが
分かるかな?
もし、
さっぱり分からない!
という反応が返ってきたら、相手が理解できるように言葉を変えて、説明し直す方がいいです。
まとめてみたkerokero
- 今回は、帰納(きのう)的議論の認容可能性がないと評価できる5つの典型例についてお知らせしました。
- 5つの典型例に1つでも該当すると、その議論は正しくないと評価すべきです。
次回は、きのう)的議論の正しさを評価することができる「前提の可能性」についてお知らせします。
最後まで、読んでくださってありがとうございます。
またのお越しをお待ちしております。
ふくカエルでした。
なお、クリティカルシンキングの引用文は、宮元博章さん他お三方の日本語訳によりました。