あれ、直観が当たらない? そんなときの直観の修正のしかたはこれ!
こんにちは!ふくカエルです(Twitterアカウント:ふくカエル)。
ご訪問いただきましてありがとうございます!
今回は、クリティカルシンキング入門篇「あなたの思考をガイドする40の原則」を勉強してみます。
もっと、きちんと くわしく理解したいぞ~~~!
という方には、下記の書籍をご覧いただけるとありがたいです。
今回から第5章「信念を分析する」です。
前回は・・・、
ある出来事を「超常現象だ!」と判断してしまう理由の一つとして、
大まかに「たぶんそうだろう!」と確率を予測してしまう理由があることをお知らせしました。
そして確率を予測する二つの方法のうち、「利用可能性ヒューリスティクス」についてお知らせしました。
今回はもう一つの方法である「代表性ヒューリスティクス」をおしらせします。
そして、その上で「直観」が当たらないときの修正の仕方についてお知らせします。
ふくカエル
代表性ヒューリスティクスとは?
代表性ヒューリスティクスとは?
人が何かを見るときに、常にそれが自分の概念とどれぐらい類似点があるかを考えて
起こりうる確率を推測する方法です。
ふくカエル
たとえばです。
ちょっと考えて欲しいのです!
もし、あなたがワインについて何も知識ない場合、
あなたの目の前にあるワインが美味しいのかどうかどう判断しますか?
あなたにとって、
美味しいワインとは、何?
と問われたら、あなたはどういう風に答えますか?
「美味しいワインとは、〇〇なものだ!」
(〇〇の中に入る言葉を考えてください!)
たとえば・・・、と考えみたとします。
「美味しいワインは高い!」という考えて(概念)、
「目の前のワインが美味しいのかどうか?」の確率を考える
「方法」が、代表性ヒューリスティクスになります。
まず、自分が今まで経験して得た「知識や情報」の中から
- 代表的な概念
- 典型的な概念
を作り出します。
実際に起きた出来事をいろいろなカテゴリーに当てはめてみます。
- カテゴリーごとの代表例や典型例を思い出す
- 実際の出来事と類似点をみつける
- 当てはまるかどうかを判断する
と、このように確率を予測しやすい方法なのですが、
この代表性ヒューリスティックスにも、問題があるのです。
代表性ヒューリスティクスにも問題があるんだよ!
自分の概念を過大評価しちゃう!
大きな問題とは、自分の概念を過大評価してしまうことです。
自分の経験からえた知識や情報をもとにしているので、
「〇〇とは、こういうものにちがいない!」と自分よがりな代表例や典型例を考えちゃうのです。
ふくカエル
たとえば、占いの場合
たとえばです。
不思議なことに遭遇した場合です。
たとえば占い師があなたの考えていることを
恐ろしいくらいにピッタリ
言い当てた場合です。
ふくカエル
ふくネコ
なんで、分かるん?
びょ~~ん!
こんなときに、あなたはどう考えますか?
秘密がバレると相当うろたえます。
- 偶然なのか?
- それとも、ひょっとしてテレパシーで心を読まれたのか?
と考えませんか?
う~む。
必死に隠しとってんけど?
なんでや!
- 偶然のカテゴリー
- テレパシーのカテゴリー
の代表例や典型例をごそごそと探りませんか?
な・の・・で・す・・が、
ここで問題が発生するのです。
自分がピッタリ一致したと判断したこと自体を間違えてしまうのです。
どんなに考えても、
相手が自分の好きな人を言い当てられたのは、
「よくある偶然にすぎない!」と考えたほうがピッタリと一致するし、
いろいろな場合に当てはまる確率・可能性が高いのに、
相手が占い師だと、偶然の中でもさらにレアな部分である「特殊な能力やテレパシーで心を読まれたに違いない!」と考えてしまうのです。
そして、レアな部分の可能性が高いと考えちゃうのです。
ふくカエル
たとえば、手品の場合
たとえば、とても不思議な現象の手品を見て、ビックリしてしまった場合です。
その手品には「ネタがあるに違いない!」と注意が向くよりも、
どうしても、
「ひょっとして、本当に特殊な能力(超能力)があるんじゃないか?」と、
レアな部分の可能性を考えてしまうのです。
たとえば、美味しいワインの場合
たとえば、美味しいワインを選ぶ場合です。
ふくカエル
安くても、高くても美味しいワインはあるのに、
どうしても、自分の「美味しいワインのカテゴリー」に、
「高いワインほど美味しい!」という代表例や典型例があると、ついつい高くて美味しいワインを選んでしまうのです。
ひょっとしたら、ワインが高くなっている理由が
- 「ブランド名」
- 「中間マージン」
が入っているからかもしれません。
ひょっとしたら、美味しさには抜群のワインだけど、ただ産地直送で安くなっているかもしれないのに、
値段が高いワインの方が美味しいと予測して選んでしまうのです。
そこで必要になる、クリティカルな思考になる第34の原則
われわれは出来事が自分のもっている概念とどれほど合致するかによって生起確率を判断する代表性ヒューリスティックスを使う。自分が誤ったを頼りにしていないか、また、現実の確率を無視していないか注意せよ。
クリティカルシンキングより引用
こんな風にアレンジしてみた!
第34の原則
自分の経験上から得た知識や情報によって、
カテゴリーごとの代表例や典型例を作り出すときは、
その代表例や典型例自体が、めっちゃマニアックになって
間違っている場合もあるから
気をつけたほうがいいよ。
独りよがりは
確率を間違えまっせ~!
直観の修正の仕方
間違った「直観」は、
代表性ヒューリスティクス(方法)を使う時に、
自分の独りよがりな典型例・代表例を作っちゃうところから生まれます。
なので、この独りよがりな考え方(概念)を修正することが必要です。
典型例・代表例を作った大本である「自分の経験からの知識や情報」の偏見や固定概念がないのかを常にチェックして、柔軟性をもつことが大事みたいです。
直観って磨かないと精度が鈍るって、こういうことを言うのかもしれません。
マニアック(極端に熱中しているさま)な状態はどうしても傾くので、
バランスをとるのってむずかしけど大事です。
ここで、ちょっと考えてみませんか?
こんな場合はどう考えます?
トムは大学生です。
- 頭はいいのですが、創造性がありません。
- 彼はものごとをきちんと秩序だてることが好きなので、文章が単調で機械的なものになってしまいます。
- たまにきらめきを見せることがあります。
- いつも有能でありたいと思っています。
- 彼は他人に対して、ほとんど関心や同情を示すことはありません。
- なので、あまり社交的な方ではありません。
- 自己中心的ですが、彼なりに強い道徳観をもっています。
さて、彼が現在専攻しているのは、次のどれだと思いますか?
ありそうな順に順位をつけてください。
- 経済学
- 電子工学
- 人文・教育科学
わたし達は、さまざまな職種の人に関するステレオタイプを持っています。
なので、トムの専攻分野を推定するときに、
トムの性格が、どの専攻分野のステレオタイプとピッタリと一致するか?
ふくカエル
という代表性ヒューリスティックスを使って判断しようとするのです。
その結果、次のような順位づけになります。
- 1位 コンピューター科学
- 2位 経営
- 3位 人文・教育科学
本当は人文・教育科学かもしれないのですが、
カテゴリーの代表例や典型例に
比較的ピッタリとするコンピューター科学を選んじゃうのです。
以上は、カーネマンさんとツベルスキーさんの実験を参考にしてます。
Kahneman, D Tversky, A (1973)On the psychology of prediction
まとめてみたkerokero
- 代表性ヒューリスティクスについてと問題点についてお知らせしました。
最後まで、読んでくださってありがとうございます。
またのお越しをお待ちしております。
ふくカエルでした。
なお、クリティカルシンキングの引用文は、宮元博章さん他お三方の日本語訳によりました。