どうして人は深く考えずに情報を処理するのかな?
こんにちは!ふくカエルです(Twitterアカウント:ふくカエル)。
ご訪問いただきましてありがとうございます!
今回は、クリティカルシンキング入門篇「あなたの思考をガイドする50の原則」を勉強してみます。
もっと、きちんと くわしく理解したいぞ~~~!
という方には、下記の書籍をご覧いただけるとありがたいです。
今回から第6章「自分は何を知っているかを知る」です。
「理解していたつもりになっていたのに、実は理解していなかった!」ときって大いに動揺します。
もし、あなたが今そのことに「嫌っ!」というぐらいに悔しい思いをしているのなら、
今回からの第6章を参考にして欲しいです。
第6章では、
「知っていると思っていること」と「実際に知っていること」のズレを少なくするには
どうすればいいのかを考えてみます。
前回では、
前回では、マンドレスが「分かったつもり」を引き起こすことをお知らせしました。
今回は、
今回は、なぜ、人々は深く考えずに情報を処理するのだろうか?
についてお知らせします。
なぜ、深く考えないときがあるのかな?
「絶対的」に考えちゃうから
なぜなら、「絶対的」に考えちゃうからです。
絶対的思考とは、
「Aはこうである、Bはこうである」というように、
ものごとはすべて一義的に定まっていると見なす考え方です。
何でもかんでも「答えは一つだ!」と考えちゃうので、
一つの結論が出れば、その問題は「それで終了!」と決着をつけてしまい、
それ以上深く考えないのです。
ちなみに、絶対的思考に対して条件つき思考があります。
条件つき思考とは、
「Aはこうであるかもしれないが、そうでない場合もあるだろう」というように、
ものごとは条件によって変わるとする考え方です。
ところで、なぜ絶対的思考になっちゃうのかな?
学校でそういう風に教育されるから
なぜ、絶対的思考になるのか?
なのですが・・・。
実はですね、学校でそういう風に教育されるからなのです。
ふくカエル
なぜなら、新しい考え方を「大勢の子ども」に教えるには、
あくまでも「答えは一つである」として、
「一人一人の子ども」に理解してもらったほうが、教えやすいからです。
「新しい知識」を「他の関連する知識」と切り離して、
スッキリ整理したほうが理解しやすいのです。
ふくネコ
禁止されている
また、「新しい考え方や知識」を理解するまでは、
今教えられた「新しい考え方や知識」以外の方法で考えるのを禁止されるからです。
ふくカエル
たとえば、「つるかめ算」を学習しているときは、
どんなに「連立方程式」の方が便利で簡単なのかを知っていても、「連立方程式」を使うことを禁止されます。
「連立方程式」で解答しようとしている子どもに
今は、
XやYを使わんと、
つるとカメを使いなさい!
なんて、ストップをかける先生が現実にいるのです。
ふくカエル
だから、応用が利かない!
だから、応用が利かないようになっちゃうのです。
小学校からずっと、いつも「答えは一つ」と考えることが普通になっているので、
- 教えられた方法以外の方法がないか?
- なぜそんな方法をとるのか?
といったことを深く考える習慣が育たないのです。
ふくネコ
じゃあ、どうする?
条件つき思考に変えてみる!
なので、絶対的思考を条件つき思考に変えてみます。
「答えは一つである!」「これはAが正解である!」と強制されると、それ以上深く考えなくなるので、
ふくカエル
「答えは一つですある!」「これはAが正解である!」なんて強制されそうになったら、
できるだけ「これはAかもしれない?」と条件をつけて考えるようにしてみます。
条件をつけると、よく考えてから判断しようと意識するからです。
ふくネコ
条件付きだと
だまされへんで!
と前向きになる!
言い方を工夫する
それには、日頃から自分の言い方を工夫するのが一番です。
つまり、目新しい知識や情報にふれたときに、
「これが一番だ!」「ベストに違いない!」と言うのではなく、
「これが一番かもしれない?」「けど、他にもいい方法があるかもしれん!」
と実際に口に出して言ってみるのです。
ふくカエル
「ちょっと深く考えてみようか?」という気分(マインドフル)になれるのです。
ヒントや手がかりは自分で!
ふくカエル
マインドフルになるヒントや手がかりを人から与えられていては、
悪しき学校の風習から逃れることはできません。
なるべく積極的にマインドフルになれるように、
ヒントや手がかりを自分から与えるようにするのが一番です。
面白い実験をご紹介します!
ランガー教授の実験
前回、「マインドフルネスの母」と呼ばれている、ハーバード大学のエレン・ランガー(Ellen Langer)教授をご紹介しました。
そのランガー教授の実験が面白いので、ご紹介します。
言い方の違いで変わる
ランガー教授は、
人は、ちょっとした言い方の違いで
- 絶対的思考
- 条件つき思考
に導かれることができることを検証したのです。
こんな実験!
大学生を被験者にして、次のような「消費行動の調査」を装って実験したそうです。
こんな消費行動の調査をしました!
さまざまな製品を学生に紹介して、その価格を推定してもらいました。
被験者に見せる製品の中には「ゴム製のバンドのような見慣れない品物」を含ませました。
そして、この「ゴム製のバンドのような見慣れない品物」を
ある被験者に対しては、
- 「犬が噛んで遊ぶおもちゃです」(絶対的)と紹介しました。
また別の被験者に対しては、
- 「犬が噛んで遊ぶおもちゃかもしれません」(条件つき)と紹介しました。
実験目的はこれ!
実験の目的は、
学生たちが「ゴム製のバンドのような見慣れない品物」を
「犬が噛んで遊ぶおもちゃ」以外の使用方法を思いつくことができるかどうかを調べることです。
なので、わざと、
学生の前で、消しゴムが見つからずに困ったフリをして、
「どうしたらいいでしょうか?」と芝居をしました。
こまった!
消しゴムがないねん!
どないしよう!
どうなったと思います?
こうなった!
- 「犬が噛んで遊ぶおもちゃです」(絶対的)
と紹介された被験者は、
「ゴム製のバンドのような見慣れない品物」を消しゴムを代用する案を思いつかなかったそうです。
これに対して、
- 「犬が噛んで遊ぶおもちゃかもしれません」(条件つき)と紹介しました。
と紹介された被験者の約40%が、消しゴムを代用する案に思いついたそうです。
どうやら、人はちょっとした言い方の違いで
- 絶対的思考
- 条件つき思考
に導かれることができるようです。
Langer,E.J. & Piper,A.I. (1987 )
The prevention of mindlessness.
Journal of Personality and Social Psychology.
あなたの周りに「柔軟性がないと悩んでいる友人」がいたら、こっそりこの方法を試してあげてはどうでしょうか?
「~かもしれないよ?」と魔法の言葉をつけ加えるだけで、柔軟な発想の蓋が開くかもしれません。
まとめてみたkerokero
- 絶対的思考でいると、人は深く考えずに情報を処理してしまうことがあります。
- なるべく「~かもしれない?」と条件つき思考でいるようにこころがけることが大事です。
- そうすると深く考えようとする思考パターンになります。
- マインドフルネスがクリティカルシンキングの要なのです。
マインドフルな状態になることが、クリティカルシンキングになる目標です。
誰でもマインドフルな状態になる能力はあります。
「深く考えようと思う気持ち」は誰でも持っているからです。
あとは、自分ですぐにマインドフルになれるように習慣づけるだけなの!!!
ふくカエル
最後まで、読んでくださってありがとうございます。
またのお越しをお待ちしております。
ふくカエルでした。
なお、クリティカルシンキングの引用文は、宮元博章さん他お三方の日本語訳によりました。