あれ、なんでこんなに違うの? 直感の確率と客観的な確率
こんにちは!ふくカエルです(Twitterアカウント:ふくカエル)。
ご訪問いただきましてありがとうございます!
今回は、クリティカルシンキング入門篇「あなたの思考をガイドする40の原則」を勉強してみます。
もっと、きちんと くわしく理解したいぞ~~~!
という方には、下記の書籍をご覧いただけるとありがたいです。
今回から第5章「信念を分析する」です。
前回のお話
前回は、
- 単なる偶然の一致
- 奇妙すぎる偶然の一致
を紹介して、
「奇妙すぎる偶然の一致」に遭遇したときの対処の仕方についてお知らせしました。
今回は・・・
今回は、「確率と利用可能性ヒューリスティクス」についてお知らせします。
利用可能性ヒューリスティクスとは、
目の前の出来事が起こりやすいのかどうかを判断するときに
自分の体験を通じて得た知識や情報から、
どれだけ実例を思い出せたか(利用できそうな知識や情報をピックアップできたか)を考えて
ちゃっちゃっちゃと主観的に確率を考える方法です。
ふくカエル
ふくカエル
でもです。
自分の思い出しやすい知識や情報が、自分に都合のよいことばかりで占められていると、
人が「感じる確率」は「歪んだ確率」になることがあります。
その前に考えて欲しいことがあります!
その前に、ちょっと考えて欲しいのです!
なぜ、客観的確率とズレちゃうのか?
の理由を考える前に、
ちょっと考えて欲しいことがあります。
質問1です。
100人の人に、
1から10のうち好きな数字を1つ思い浮かべてもらいます。
その数字が7である確率は、次のうちどれですか?
- 100分の1
- 100分の7
- 100分の10
- 100分の17
質問2です。
次は、箱の中に1から10までの数字が書かれた10枚のメモが入れて、
同じように100人の人に、そこからメモを1枚ひくようにしてもらいました。
ひく度に、毎回10枚そろえて、よく混ぜるようにします。
このときに数字の7をメモを引く確率はどれぐらいでしょうか?
質問1について、
実は、選択肢の中に答えはありません。
質問2について
答えは、10分の1です。
たとえ100人に引いてもらっても、
7の数字が書かれたメモは10枚のうち1枚ですから、10分の1です。
間違えなかったですか?
なぜ、直観は、客観的な確率とズレちゃうのかな?
好きな数字に傾くから
実はです。
好きな数字というのは、その人それぞれ思う数字があるので、どうしても偏りが出てくるからです。
ぼくは、
四つ葉のクローバーの
「4」が好きさ!ってな感じです。
実は、この「好きな数字を思い出しちゃう」というのが利用可能性ヒューリスティックスを使って考えたことになります。
100人がすべて1から10までの数字を均等に思い浮かべることが無理です。
ふくカエル
実験の結果では
ニュージーランドの心理学者が行った実験では、
1=2.0%
2=3.0%
3=5.1%
4=3.6%
5=12.7%
6=18.8%
7=32.0%
8=11.7%
9=10.7%
10=0.51%
7の確率は100分の32になったそうです。
約3分の1です。
この実験では、質問1の答えは、約3分の1になります。
人の好みや思考は、いろいろな体験を通じて得た知識や情報などで傾向が出てきます。
ふくカエル
つまり・・・
つまりです。
人はあるカテゴリーの中で選んだり、考えたりするときに
利用可能性ヒューリスティックスを使ってしまうと、均等にならないことが分かります。
たとえば
- 色のカテゴリー
- 車のカテゴリー
について、均等に判断して欲しいと言われても、
どうしても、その人の好みやカタチなど特定の知識や情報を思い浮かべてしまいます。
なので、
- 好みなど特定の色
- 好みなど特定の車
など特定のものに偏ってしまうのです。
このことは、身近なことでも、
特定のものごとがより多く、より早く取り上げられるのかを考えてみると
なるほどなあ!
と思います。
ふくカエル
ふくネコ
思い出しやすい知識や情報は、利用する可能性が高いのです。
ある特定の〇〇が好きな人は、自分が夢中なので、世間のみんなも関心があると思いがちです。
なので、こんな会話が繰り広げられます。
えっつ、〇〇も知らへんの?
恥ずかしいわ~。ビックリするわ~。
みんな知っているで!
「みんな」って誰やねん?
お前さんの周りの数人と違うんか?
その「確率」にビックリするわ!
そこで必要になる、クリティカルな思考になる第35の原則
人の判断の好みはしばしば特定のものに偏る。
つまり、その生起確率をサイコロのように均等なものと考えると誤る可能性がある
クリティカルシンキングより引用
こんな風にアレンジしてみた!
第35の原則
どんなに均等に判断しようとしても
人は、自分の好みで判断することがあるよ。
「人の判断はサイコロのように均等なものだ!」
と考えると間違えるおそれがあるので、注意したほうがいいよ。
人って結構、
好みにうるさいもんだ!
ここで、ちょっと考えてみませんか?
こんな場合はどう考えます?
読心術が得意と呼ばれる人が得意とする質問に次のようなものがあります。
わたしは今、単純な絵を2つ持っています。
今から強く念じますので、
その2つが何なのかを紙に書いてください!
世界中で書かれる可能性のある図形はいくつあると思いますか?
次に、誰かが2つのうち1つに家を書く可能性はどれぐらいだと思いますか?
ニュージーランドの心理学者であるマークスさんとカンマンさんが、
2つの大学の学生702人に同じ質問をしました。
家か建物の絵を書いた学生は702名中94人いたそうです(13%)。
三角形か四角形は家の一部分とみることが可能なので、それを含めると228人になったそうです(32%)。
上位わずか8個の絵で全体の69%になったそうです。
Marks,D & Kammann,R (1980)
The psychology of the psychic
まとめてみたkerokero
- 確率と利用可能性ヒューリスティックスについてお知らせしました。
- 利用可能性ヒューリスティックスを使うと自分が感じる確率と客観的な確率にズレが出てきます。
失恋ばっかりしていると、
- 悲しかったこととか
- 泣いたこととか
- 後悔したこととか
とかばっかり覚えてしまいます。
新しい恋が始まっても、この恋も直ぐに終わっちゃう!と(成功する確率は低い)と考えてしまうのです。
利用可能性ヒューリスティックスを使って、恋の成就の確率を歪めて考えちゃう。
悲しくてツライことばっかり思い出すので、今度の「新しい恋」もきっとそうだと思っちゃうのです。
ふくカエル
でも、人が感じる確率って間違っているよ。
ちゃんとサイコロを頭にいれて「新しい恋の確率」を客観的に考えた方がいいよ。
よくあることだけどね。
「新しい恋」は「過去の恋」とは別物だからね。
頑張ってね~~~~。
最後まで、読んでくださってありがとうございます。
またのお越しをお待ちしております。
ふくカエルでした。
なお、クリティカルシンキングの引用文は、宮元博章さん他お三方の日本語訳によりました。