原因をちゃんと特定する方法 その1
こんにちは!ふくカエルです(Twitterアカウント:ふくカエル)。
ご訪問いただきましてありがとうございます!
今回は、クリティカルシンキング入門篇「あなたの思考をガイドする40の原則」を勉強してみます。
もっと、きちんと くわしく理解したいぞ~~~!
という方には、下記の書籍をご覧いただけるとありがたいです。
前回のお話
前回のお話は、
人はものごとの原因を探るときに、とかく自分の目がつきやすいものを
これが、原因に違いない!
と安易に決めつけちゃう傾向があるので問題だよね。
ということをお知らせしました。
たとえば、こけて泣いている人を見て、
「ケガが痛いから泣いてるんだ!」と安易に思っちゃうのです。
本当は失恋して泣いていたとしても、目立っちゃう事象(できごと)を拾い上げて原因だと決めつけちゃうのです。
こんな目のつく原因ばかりを即断していると、そのうち大きな失敗をするかもしれません。
困ったです!
こんな風に原因を考えちゃいませんか? 気をつけたい落とし穴について。
そんな困っているときには
この方法です!
なるべく失敗しない原因の特定の方法があるのでお知らせしま~す!
なるべく失敗しない原因を特定する方法って何かな?
それはですね。これです!
因果関係をはっきりとした基準で判断する!
因果関係があると判断するには、次の3つの基準が必要になってきます。
3つの基準!
そして、この基準は第4の原則になります。
クリティカルな思考を身につけるための第4の原則
因果関係を立証する規準は、共変関係、時間的順序関係、もっともらしい他の原因の排除の三つである。
クリティカルシンキングより引用
この3つの基準は、ちょっと難しい基準なので、一つ一つ考えてみることにします。
そして今回は、この3つの基準のうち1の基準「共変関係」についてのみ考えてみます。
2.時間的順序関係
3.もっとらしい他の原因の排除
は次回に考えます。
ふくカエル
まず、共変関係って何かな?
共変関係とは?
「共変関係」とは、
「出来事X」が変われば、共に「出来事Y」も変わるという関係です。
ふくカエル
たとえば、
Xという出来事が上昇したら、
Yという出来事が上昇したり、
下降したりする(共に変化する)
たくさん勉強すれば、
成績がアップする!
という感じで、一方が変化すれば他方も変化する関係のことを「共変関係」といいます。
この共変関係はなじみ深いものなの!
この「共変関係」ですが、日常生活においても普通にあります。
たとえば、
家の手伝いをしなくなると、親からの小言の量が増えることです。
ここには、手伝いの数が減ると、怒られる回数が増えるという「共変関係」があります。
こりゃ、
痛い共変関係です!
また、つまみ食いをしなくなれば、体重も減ることです。
ここには、つまみ食いを少なくすれば、体重が減るという「共変関係」があるのです。
こりゃ、
うれしい共変関係です!
さらに、外が暗くなれば、部屋に明かりをつけるお家が増えることです。
ここには、暗さが増すと、灯りが増えるという「共感関係」があるのです。
美しい共感関係です。
共変関係も数値化できる
この「共変関係」ですが、実は数値化することできます。
ふくカエル
ふくネコ
共変関係を表現できる
さらに、「共変関係」は次の様に表現することができます。
- 相関の強さ
- 相関の方向
相関とは、数値的に測定・表現された共変のことをいいます。
相関の強さとは?
Xがどれぐらい変化すれば、
Yがどれぐらい変化するのか
を知ることによって、予測の程度を強さで表現するものです。
相関が強いほど予測しやすくなります。
相関の方向とは?
Xの変化する方向性
Yの変化する方向性
を知ることによって、変化の関係性を表現するものです。
たとえば、
- Xがプラスに変化すれば、Yがプラスに変化する
- Xがマイナスに変化すれば、Yもマイナスに変化する
と、同じ方向に変化する場合は、「正」の方向に変化すると言います。
あるいは、
XとYが逆方向に変化する。
逆の方向に変化する場合は、「負」の方向に変化すると言います。
ところで、なぜ、共変関係は必要なのかな?
因果関係を推測できるから
「共変関係とは何か?」という知識があると、因果関係の有無を一応推測することができるからです。
共変関係があると、
一応、因果関係があるかも?
と断言できませんが、ある程度推測できます。
将来を予測できるから
また、「共変関係とは何か?」という知識があると、将来の出来事を予測することができるからです。
第一の出来事がどのような状況であったかについての情報が
第二の出来事を予測する重要な「鍵」になるのです。
この将来の出来事の予測ですが、日々の暮らしで結構よくやっていることです。
たとえば、
たとえば、入道雲が雷が出てくと、雷が起こりやすくなるという「共変関係」の知識があると、
入道雲を見つけたら、
あらかじめ雷を回避できる建物や車の中に避難することができます。
たとえば、手伝いをサボれば、親から小言があるという「共変関係」をあらかじめ知っていれば、
将来の小言を予測して、これを避けるために「少しはお手伝いしようかなあ」と思います。
ふくカエル
でも、共変関係だけでは不十分!
でもです。
「共変関係」だけでは、因果関係を証明するのは不十分なのです。
なぜ、不十分なのかな?
なぜなら、「共変関係」があっても、それがそのまま「直接の原因」だとは言えない場合があるからです。
手伝いをサボれば、親から小言があるという「共変関係」があったとしても、
親が怒っている直接の原因は「自分の誠実さの有無」にあったりするのです。
これが落とし穴です。
そこで、クリティカルな思考になる第5の原則が必要になってきます。
そこで必要になる、クリティカルな思考になる第5の原則
共変関係は、それだけでは因果関係を意味しない。共変のみを根拠に因果関係を結論づけてはならない。
第5の原則
ものごとが同じように変化したからといって、
出来事に因果関係があると即断するのは
まだ早いぞ!
という原則を常に頭に置いておく必要があるのです。
しつこいようですが、因果関係があると認めるには、あと2つの基準が満たされる必要があります。
あと2つの基準
2.時間的順序関係
3.もっとらしい他の原因の排除
これらについては、次回、次々回でお知らせします。
ここで、ちょっと考えてみませんか?
次にあげる出来事に「共変関係」があるとしたら、どう考えますか?
- 月別のアイスクリームの販売量と犯罪の発生率
- 勉強時間と成績の平均点
- 都道府県ごとの牛の数と博士号を持つ人の数
1.月別のアイスクリームと犯罪発生率
アイスクリームの売り上げと犯罪発生率の間に「共変関係」はあるでしょうか?
【共変関係はあるのかな?】
アイスクリームの販売量が増えると、犯罪発生率が増えるという「共変関係」があると考えてみます。
ふくカエル
【相関強さはあるのかな?】
「気温の上昇が不快指数をあげる」という仮説が正しければ、
アイスクリームの販売量が増えると、犯罪が増えることが予測しやすくなります。
【相関の方向はどうかな?】
ともに増加の方向に変化しているので、「正」の方向です。
2.勉強時間と成績の平均点
勉強時間と成績の平均点の間に「共変関係」はあるでしょうか?
【共変関係はあるのかな?】
勉強時間が長ければ長いほど、成績の平均点が上がるという「共変関係」があります。
ふくネコ
【相関強さはあるのかな?】
「科目の難易度が一定」という条件があれば、
勉強時間が長ければ長いほど、成績の平均点が上がることは容易に予測しやすくなります。
【相関の方向はどうかな?】
ともに増加の方向に変化しているので、「正」の方向です。
3.都道府県ごとの牛の数と博士号を持つ人の数
牛の数と博士号を持っている人の数に「共変関係」はあるでしょうか?
【共変関係はあるのかな?】
牛の数が増えると、博士号を持つ人の数が減るという「共変関係」があると考えてみます。
ふくカエル
【相関強さはあるのかな?】
「雇用の機会が少ない」という仮説が正しければ、
牛の数が増えると、博士号を持つ人の数が減少すると予測できます。
【相関の方向はどうかな?】
牛の数が増加すれば、博士号を持つ人の数が減少するので、「逆」の方向です。
では、上にあげた3つの出来事のうち、因果関係がないのはどれでしょうか?
実は、
1.月別のアイスクリームの販売量と犯罪の発生率
3.都道府県ごとの牛の数と博士号を持つ人の数
以上の2つには、因果関係がありません。
【1. 月別のアイスクリームの販売量と犯罪の発生率について】
たしかに「共変関係」があっても、
アイスクリーム販売量が、犯罪率が増加する直接の原因ではないからです。
アイスクリームよりも、より直接的な「気温の上昇が不快指数をあげる」という別の原因があるからです。
【3. 都道府県ごとの牛の数と博士号を持つ人の数について】
たしかに「共変関係」があっても、
牛の数が、博士号を持つ人の数を減少する直接の原因ではないからです。
牛の数ではなく、「雇用の機会が少ない」という別のより直接的な原因があるからです。
まとめてみたkerokero
- 原因を特定する方法について、第4の原則、第5の原則をお知らせしました。
- 原因を特定するためには、出来事と出来事の間に因果関係の有無を確認することが必要になります。
- 因果関係があると言えるためには、3つの基準が満たされる必要があります。
- 今回は1つ目の基準「共変関係」についてお知らせしました。
最後まで、読んでくださってありがとうございます。
またのお越しをお待ちしております。
ふくカエルでした。
なお、クリティカルシンキングの引用文は、宮元博章さん他お三方の日本語訳によりました。