効果的に問題を解決する方法1 その1
こんにちは!ふくカエルです(Twitterアカウント:ふくカエル)。
ご訪問いただきましてありがとうございます!
今回は、クリティカルシンキング入門篇「あなたの思考をガイドする50の原則」を勉強してみます。
もっと、きちんと くわしく理解したいぞ~~~!
という方には、下記の書籍をご覧いただけるとありがたいです。
今回から第7章「問題を解決する」です。
日々の暮らしの中で、いろいろな問題に遭遇します。
- 今日のお昼は何を食べるか?
から
- 政治はどうすればいいのか?
まで、問題はさまざまです。
でも、問題の目的がハッキリしていて、正解が必ず一つだけ存在する問題については、
問題解決をどのようにすれば、うまくいくかは共通です。
日々直面する問題を適切に解決できると、
個人的なレベルでは「良い生き方」につながります。
社会レベルでは「すみやすい社会を作れる」ことにつながります。
なので、ちょっと問題解決に困ったなあと思ったのなら、参考してくださるとうれしいです。
第7章では、問題について考えて、その解決法を考えます。
そのためには、種々の「メタ認知的技能」を使いこなす必要があります。
「メタ認知」についてお忘れになった方は、第6章を読んでくださるとうれしいです。
もちろん、正解がなく、考えられる解決策の中で、どれがベストか決めなくちゃならない問題もあります。
これについては、次の章の第8章でお知らせします。
前回では・・・
前回では、
問題を解決する際に、もっとも重要である「問題」そのものについて、
4つの要素や2つの分類についてお知らせしました。
今回は・・・
今回は、「効果的に問題解決するには、どうアプローチしたらいいのか?」についてお知らせします。
さらに、「問題の性質をきちんと理解する」ついてお知らせします。
4つのステップと5つのステップ
4つのステップ
実は、文学というカタチで、効果的に問題解決する方法を作家や詩人たちが教えてくれています。
なかでも数学者であるジョージ・ポリア教授は、次の4つのステップにまとめています。
Polya ,G. 1971
How to solve it (2nd ed.).
哲学者で教育者であるジョン・デュ-イさんも、「良識の思考」という本で、同じようなステップを紹介しているそうです。
Dewey, J. 1933
How we think. Lexigton,Mass.: D.C.Health
クリティカルシンキングにおける5つのステップ
クリティカルシンキングの著者であるユージン・B・ゼックミスタさんとジェームズ・E・ジョンソンさんは、
この4つのステップの第1ステップの前に、
「問題の存在を認識する」をつけ加えると、
問題があることに気づかないという「マインドレス状態」を回避できるのではないか?と提案しています。
ふくカエル
ステップ1については、前回の「問題について」で、既にお知らせしているので、こちらをご参考くだると嬉しいです。
今回は、ステップ2の「問題の性質をきちんと理解する」ことについてお知らせします。
問題の性質をきちんと理解するには、どうする?
2つのアプローチがあるよ
問題の性質をきちんと理解するために、必要なアプローチの方法が2つあります。
- 既知事項(分かっていること)と仮定(考えたこと)で区別すること
- 問題を分かりやすく表現すること
今回は、1の既知事項(分かっていること)と仮定(考えたこと)を区別することについてお知らせします。
ふくカエル
既知事項とは? 仮定とは?
すべての問題にある2つの要素
すべての問題には、次の2つの要素があります。
- 既知事項(分かっていること)
- 仮定(考えたこと)
既知事項とは?
既知事項(分かっていること)とは、既に理解していることです。
たとえば、
日々の暮らしの中で起こる実際の出来事です。
こりゃ、事実だ!
と言えることが、既知事項(分かってこと)にあたります。
仮定とは?
仮定(考えたこと)とは、問題に持ち込んでしまう推測です。
当然そうだろうな!
と推測することが、仮定(考えたこと)にあたります。
なぜ、2つを区別しないとダメなのかな?
仮定をよく使って問題解決をしているから
実はです。
わたし達は、この仮定(考えたこと)をよく使って、問題解決をしているからです。
たとえば、「東京からニューヨークに行く」と聞けば、誰でも「飛行機で行くんだな!」と仮定しちゃうことです。
ふくカエル
仮定ばかりで問題解決すると事実を軽視してしまいます。
それに、仮定は必ずも真実じゃないから
それにです。
仮定(考えたこと)したことは、必ずしも真実ではないからです。
そもそも、仮定は憶測にすぎないからです。
ひょっとしたら、「豪華客船」で行くかもしれないし、
「ヨット」で渡るかもしれません。
ひょっとしたら、「宇宙船」かも?
仮定と事実を区別することは大事なのです。
仮定が間違っていると解決も間違うことになるから
さらに、仮定が間違っていれば、仮定に基づく問題解決も間違うことになるからです。
なので、仮定と事実を区別して、
仮定が間違っていないかを十分に気をつけて考えることは重要なのです。
じゃあ、問題の性質を理解するには、どうしたらいいのかな?
既知事実と仮定が重要になる!
問題の性質をちゃんと理解するには、次の2つのことが重要になってきます。
- 既知事項(分かっていること)を正確に理解すること
- 仮定(考えたこと)を適切なものにすること
です。
ふくカエル
ふくネコ
たとえば、こんな失敗をひきおこす!
問題の性質を理解しないと、次のような失敗を引き起こします。
既知事項(分かっていること)についての失敗
既知事項を、未知だと思った。
誤解していた。といった失敗をしでかします。
既知事項(分かっていること)をきちんと理解していないと、
- 説明されたことのすべてに注意を払うことができなくなる
- 提示された情報を、全部理解できなくなる
といった失敗を引き起こすのです。
なぜ、既知事項(分かっていること)が理解できない大きな理由として次の理由があげられます。
- 人は一度に多くのことに注意を向けられないという事実
- 人は情報を取捨選択しているという事実
まず、人は一度に多くのことに注意を向けられないという事実です。
ふくカエル
ふくネコ
人間は、一度にたくさんの量を覚えられません。
膨大な情報を処理できないのです。
それに覚えたからといってもすぐに忘れることもあるのです。
ふくカエル
次に、人は情報の多くを取捨選択して取り込んでいるという事実です。
ふくカエル
たとえば、人は、様々な情報を
- ステレオタイプ
ステレオタイプで分類する利点と危険性を知っておくといいよ。 - スキーマ
スキーマって知ってますか? 知っておくと「あ~、これね」となるよ。 - 期待
- 信念
信念はどんな影響力をもつのかな? - 偏見・構え
などのいろいろな概念によって、情報を取捨選択してます。
そして、問題解決しようとする傾向があるのです。
もちろんこれらは、問題解決をスムーズにする面もありますが、一方で、重要な情報に注意を払えずに、見落すこともあるのです。
仮定(考えたこと)についての失敗
問題の4要素のどれかに、
間違った仮定を
してしまった。といった失敗をしでかします。
問題の4要素(目標・道具・操作・制約)のうちのどれかに間違った仮定(考えたこと)をしてしまうと、
- 問題が解けなくなります。
という失敗を引き起こすのです。
たとえば、壊れた椅子です。
壊れた椅子を修理するときに、全く同じ材料を使わなければならないと考えて(仮定)しまうと、
材料が入手できずにいつまで経っても修理できない状態になります。
ふくカエル
- 目標:どうなれば問題が解決されたといえるのか?
- 道具:どんな道具や材料を使って目標を達成するのか?
- 操作:どんな手順や方法で目標を達成するのか?
- 制約:やってはいけないことや守らなければならない規制は何か?
じゃあ、
失敗しないようにするには、
どうする?
そこで必要になる、クリティカルな思考になるために必要な第55・56の原則
問題を正確に理解するために、既知事項(事実)と仮定(推論)を区別せよ。
問題に不必要な仮定を持ち込んでないかどうか検討せよ。
クリティカルシンキングより引用
こんな風にアレンジしてみた!
第55の原則
問題解決に失敗しないようにするには、
「どんな事実があるのか」をきちん理解することだよ。
そして、
- それは、事実なのか
- それは、仮定(考えたこと)なのか
をちゃんと区別して考えるのがミソ!
ふくカエル
ふくネコ
第56の原則
人は、いろいろな知恵で情報を取捨選択しちゃうから、
ついつい、間違った仮定をしがちになることを自覚して、
チェックするようにしたほうがいいよ。
事実と仮定はよくゴチャゴチャにしちゃうのです。
仮定を事実だと思っちゃうとか、よくあります。
中には、憶測で問題解決しようとして、
まったく事実と仮定を区別してないときもあるのです。
憶測でものごとを
言っちゃダメだよ!って
言われることが
よくあったんだけど、
今回のこのテーマで
わかっちゃたよ。
ここで、ちょっと考えてみませんか?
こんな場合はどう考えます?
唐突ですが、9つの点が次のように並べられています。
目標は、4本の線で9つの点をすべて結ぶことです。
いったん書き始めたらペンを紙から離してはいけません。
できますか?
ふくカエル
答えを読みたいあなたに、もうちっと考えてほしいこと!
実は、この問題はとてもむずかしい問題です。
でもです。
なぜ、この問題はむずかしいのでしょう?
ここで、4つの要素を考えてみてほしいのです!
この問題を4つの要素について考えてみると、次のようになります。
- 目標:9つの点を4本の直線で結ぶこと
- 道具:ペンや鉛筆
- 操作:線を引くこと
- 制約:4本の直線。紙から筆記用具を離してはいけない。
さらに、人々が、考えそうなこと(仮定)について考えてほしいのです!
人々が仮定しそうな(考えそうな)ことを考えみると、次のようになります。
- 図の大きさや9の点の配置は、厳密に図に書かれている通りでなければならない。
- 筆記用具は1本しか使ってはいけない。
- 普通の大きさの筆記用具でなければならない。
- 線は9つの点の枠の外にはみ出してはいけない。
でもです。
この人々が仮定しそうな(考えそうな)ことって、どれも必ずしも必要というわけでなないです。
1.仮定についても
図はもっと大きくしてもいいです。
厳密に図に書かれている通りに書いたとしても、別に問題解決に支障が出るわけではないです。
2.も3.も問題解決に支障がでない仮定です。
とはいいましたが、
では、4.はどうでしょう?
実は、この「4.の仮定」が、問題をむずかしくしている原因なのです。
ふくカエル
ふくネコ
次の図のように順番に線を引きます。
ポイントは、9つの点から外へはみ出して線をひくことです。
まとめてみたkerokero
- 「効果的に問題解決するには、どうアプローチしたらいいのか?」の5ステップについてお知らせしました。
- また、その中でも2ステップにあたる「問題の性質を理解する」についてお知らせしました。
最後まで、読んでくださってありがとうございます。
またのお越しをお待ちしております。
ふくカエルでした。
なお、クリティカルシンキングの引用文は、宮元博章さん他お三方の日本語訳によりました。