5章「信念を分析する」をまとめてみました。
こんにちは!ふくカエルです(Twitterアカウント:ふくカエル)。
ご訪問いただきましてありがとうございます!
今回は、クリティカルシンキング入門篇「あなたの思考をガイドする40の原則」を勉強してみます。
もっと、きちんと くわしく理解したいぞ~~~!
という方には、下記の書籍をご覧いただけるとありがたいです。
ふくカエル
信念を分析する
偶然にすぎない
日々の暮らしの中で起きている出来事の多くは、偶然に起きています。
でも、偶然にすぎないのに、
人は、偶然に意味を持たせてしまう傾向があります。
オカルトやESP(超能力)に違いない!心霊現象に違いない!
でもです。
このような信念や認知の歪みは、思考パターンに歪みを与えます。
5章では、
- 出来事が偶然に起る確率(生起確率)の判断について
- 何が、生起確率に影響を与えているのかについて
考えてみます。
ちなみに、タイムラインはこれ!
ちなみに、信念を分析する方法についてのタイムラインは次のようになります。
超常現象を信じる人は、信念を持っています。
信念があると、
- 十分に科学的根拠がないのに信じてしまう
- 信念を変えるのは非常にむずかしくなる
といった認知の歪みになります。
そして、このような認知の歪みが
- 強い先入観や偏見を生み
- 自分の判断に対する過信
につながるのです。
まず、強力な直接体験によるからです。
強力な直接体験は強烈な印象を残します。
これがヒューリスティクスに歪みをもたらすのです。
ヒューリスティクスには2つの方法があります。
- 利用可能性ヒューリスティクス
- 代表性ヒューリスティクス
それぞれ、使い方を誤らなければ、非常に有効な手段ですが、
使い方を誤れば、自分の確率判断を歪めます。
なので、
- 自分の思い出す実例が間違っている
- 自分の持っている概念(カテゴリーや典型例)に間違いがある
場合があることに注意しておくのがいいです。
確率そのものにも罠があります。
- 偶然の一致と思えないこと
- 確率の基礎知識を活用しない
- 確率計算の代入ミス
- ギャンブラー錯誤
- 主観的確証によってどんな証拠も自分の信念を支持するものだと見なす
- 期待効果によって間違った信念をさらに強める
- 自己成就予言が悪く作用してしまう
超常現象を信じる人とは?
この章では、ESPや不老長寿の泉のようなものの可能性を否定するのではありません。
なぜなら、現在における科学の成果も、かつてはふざけた憶測だとばかにされていたからです。
- 現にコロンブスの地球球体説
- コペルニクスの地動説
- 現在においてはブラックホールの映像写真
など、ありっこないと疑われていたものばかりです。
なので、否定するわけではないのです。
ただ、何でもかんでも超常現象だと決めつけて、認知の歪みが起きてしまうことについて考えてみます。
強い信念
超常現象を素直に信じてしまう人は、強い信念を持っている人が多いです。
信念とは「超常現象はあるに違いない!」と強く信じることです。
この信念が、認知の歪みをもたらします。
たとえば、
- 十分科学的根拠がないのに信じてしまう
- 信念を変えるのが非常にむずかしくなる
です。
これらの認知の歪みが、
- 強い先入観や偏見
- 自分の判断に対する過信
を生み、いろいろな支障がでてきます。
偶然なのに、心霊写真かも?
と怖がったり。
高い壺を買わされたり、
呪いで人の寿命や人生を
操れると真剣に思ったり
信念は必ずしも正しくないと思うこと
なので、自分の信念は、
必ずしも正しいとは限らないことを
常に自覚していたほうがいいです。
でも、なぜ、間違った直観がつくられるのかな?
強力な直接体験があるから
まず、強力な直接体験があるからです。
強力な直接体験があると、強烈な印象が残ってしまうのです。
とくに自分の目で見た現象は、
それがたとえトリックだとしても、簡単に信じてしまうのです。
さらに、強烈な印象が残ってしまうと、自分がだまされていたて事実をなかなか認めたがりません。
なので、自分で直接体験したことを過信しないようにするのも大切なのです。
ヒューリスティクスを使うから
次に、利用可能性ヒューリスティクス(簡便法)を使うからです。
ヒューリスティクスとは、
今までの経験や知識をもとに、簡便なやり方で大まかに生起確率を判断する方法のことです。
ヒューリスティクスには、次の二つがあります。
- 利用可能性ヒューリスティクス
- 代表性ヒューリスティクス
生起確率とは、ある出来事Aが起こる確率のことです。
利用可能性ヒューリスティクス
まず、利用可能性ヒューリスティクスの使い方が間違っているからです。
利用可能性ヒューリスティクスとは、
どれだけの実例を直ぐに思い出すことができるかを基準にして確率判断をする方法です。
ふくカエル
使い方を間違えなければ、非常に有効な方法なのですが、しばしば誤った確率判断を導くことがあるのです。
たとえば、利用可能性ヒューリスティクスによって、自分の思考を惑わされることがあります。
具体的には、
- 自分の接した情報に偏り(かたより)があると、思い出す実例にも偏向が出てしまう
- 「これはおかしいのではないか?」という違和感や矛盾がでてきても、信念で歪めてしまう
なので、自分の利用可能な情報に偏りがないかを注意しておくのが大事になってきます。
代表性ヒューリスティクス
次に、代表性ヒューリスティクスの使い方が間違っているからです。
代表性ヒューリスティクスとは、
実際の出来事が、自分の持っている概念(カテゴリーや典型例)と、
どれぐらい合致しているかを基準にして、生起確率を判断する方法です。
ふくネコ
Kahneman, D., & Tversky, A. (1972).
Subjective probability: A judgment of representativeness. Cognitive Psychology, 3(3), 430-454.
もちろん、この代表性ヒューリスティクスも使い方を誤らなけば非常に有効な方法です。
でも、自分の持っている概念(カテゴリーや典型例)に、歪みがあると、
その歪みがそのまま確率判断に影響してきます。
なので、代表性ヒューリスティクスを使うときは、
自分の概念に誤りがないかを注意しておくのが大事なのです。
あれ、直感が当たらない? そんなときの直感の修正のしかたはこれ!
確率の罠とは?
信念を強くする一つの要因である確率を考えるときには、
確率そのものにある罠に注意しなければならないです。
偶然の一致
まず、偶然の一致という落とし穴です。
偶然の一致とは、意図していたわけではないのに、二つの出来事が同時にあるいは同じ場所で起こることです。
実は、日々の暮らしの中で、この偶然の一致はよくあることなのです。
ふくカエル
ふくネコ
ですが、
人は、しばしば偶然の一致という確率論で説明しようとせず、
超能力や超自然的な原因で説明しようとします。
落とし穴です。
日々の暮らしの中で、偶然はよくあることだと注意深く考えることは、非常に役立つことなのです。
確率の基礎
次に、確率の基礎にある落とし穴です。
何でもかんでも「たんなる偶然!」と考えるのは、単純すぎます。
- たんなる偶然か?
- 何か原因があるのか?
を考えることは非常に必要です。
そこで、簡単な確率の基礎について正しい知識を持つことが大事になってきます。
ふくカエル
さらに、確率の公式を覚えるだけでなく、そこに入れるべき数値を間違えないようにすることです。
分子や分母の判断が不正確であれば、数字の代入を間違えちゃうのです。
確率と利用可能性
また、確率と利用可能性ヒューリスティクスの落とし穴があります。
人の思考は、特定のものに偏る(かたよる)傾向があるからです。
たとえば人がカテゴリーの実例を思い出すとき(利用可能性ヒューリスティクス)には、
- 数
- 色
- カタチ
- 味
- 匂い
- 触感
いろいろな個人的趣向が入り込んできます。
ふくカエル
なので、利用可能性ヒューリスティクスを使って生起確率を判断するときは、
均等でないことに注意しておくことが重要なのです。
確率と代表性
さらに、確率と代表性ヒューリスティクスの落とし穴があります。
人はランダム(偶然)かどうかを判断するときに、代表性ヒューリスティクスを使います。
たとえば、合致するか否かで判断してしまう
たとえば、自分の持っているが概念(カテゴリーや典型例)に合致するか否かで生起確率を判断しちゃうことです。
たとえば、大数の法則を当てはめてしまう
たとえば、
長い時間や多くの試行に当てはまる法則(大数の法則)が、
短い時間や少ない試行にも当てはまると考えてしまうことです。
あれ、なんでこんなに違うの? 直感の確率と客観的な確率 その2
たとえば、自然修正すると考える
たとえば、
次の出来事が、前までの出来事を、自然に修正する方向に修正すると考えることです。
ふくカエル
という希望的観測を生起確率に持ち込んでしまうのです。
これをギャンブラー錯誤といいます。
ふくカエル
信念はどんな影響をもつのかな?
主観的確証
信念が強すぎるとは、主観的確証という影響を与えます。
主観的確証とは、有利とも不利ともつかない証拠を、自分にとって有利なものとして、
自分の信念を支持するものとして読み取ってしまう傾向です。
期待効果
主観的確証の一つの効果として期待効果があります。
これは、見ようとして期待しているとその通りに見えてしまうという効果です。
期待効果は強い信念の色眼鏡をかけて、事実を見てしまうので、
- 証拠の選択
- 自分なりの解釈
などを歪めてしまいます。
期待は、
ときに偏見を強くします。
自己成就予言
そして、信念が強すぎると、自己成就予言という影響を与えます。
自己成就予言とは、信念を持つことによって、
自分や他人の認知や行動に影響を与え、さらに事態そのものも変化してしまうことをいいます。
たとえば、来週にある「同窓会」について、「嫌だな! 絶対成功しないよ!」と思っていたら、
その信念が周りの人たちに派生(影響)して、
本当に「同窓会」がつまらないものになってしまうことです。
ピグマリオン効果
もっとも逆の場合もあります。
「絶対に楽しくなるよ!」とワクワク期待していたら、
その期待が信念と一致することによって、
周りの人たちに派生(影響)して、「同窓会」が大盛況に終わることもあります。
ピグマリオン効果といいます。
信念はもともと嘘であっても、
自分の期待と信念が一致していくと、
それが、だんだんと自分や他人の行動に影響して、現実になることもあります。
まとめてみたkerokero)
- クリティカルシンキング5章「信念を分析する」ことについてまとめてみました。
最後まで、読んでくださってありがとうございます。
またのお越しをお待ちしております。
ふくカエルでした。
もっと熟読されたい方には、お勧めします。
なお、クリティカルシンキングの引用文は、宮元博章さん他お三方の日本語訳によりました。