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運命の袋にも不純物が入っています。知ってましたか?
こんにちは!ふくカエルです(ふくカエル@バルタンカエル)。
ご訪問いただきましてありがとうございます!
アラン先生の「幸福論」を勉強しています。
今回の勉強のテーマは、
「第3章 人生について」
「No.73 運命の袋にも不純物が入っています。知ってましたか?」
人は運命の袋を背負って生きる
野心に満ちた袋を選んだ人は、
自分がさもしい追従やねたみや不正を選んだつもりはなかった。
しかし、そうしたものは同じ袋の中に入っていたのである。
アラン先生「幸福論」より引用
そもそも「運命の袋」とは? エルの物語
「不純物」のお話をする前に、そもそも「運命の袋」とはなにかについてお話します。
これは、哲学者プラトン先生の「国家」という対話篇に出てくる「エルの物語」に登場してきます。
プラトンのおとぎ話
プラトン先生という哲学者がいます。
古代ギリシアのエライ哲学者です。
プラトン先生は、同じく有名な哲学者のソクラテス先生の弟子で、
わしの弟子じゃ!
そいでもって、アリストテレス先生を教えた先生という
僕の先生ね!
哲学者をサンドイッチにしたら、具に当たる人です(かなり乱暴)。
プラトン先生は、西洋哲学の主要な源流を作った人と評価されています。
とにかく賢い賢い哲学者です。
その賢くて有名なプラトン先生の「おとぎ話」をご紹介いたします!
ふくカエル
死者の国から戻ってきた、エルのお話だよ!
なんと、死者の国から奇跡的に戻ってきたという軍人さんのお話です。
名前は「エル」さんと言います。
エルです!よろしくね、
このエルさん、不幸にして戦争中に戦死してしまいます。
でもです。
なっつ、なんと、
死んだはずなのに、死んでから12日後に生き返っちゃうのです。
それも火葬する直前というから、驚きもの!
ふくカエル
ふくネコ
えっつ12日間も?
そいも火葬直前?
最初から、ビックリ!
ふくカエル
ふくネコ
で、息を吹き返したエルさんが、
まいったな。
いろいろなことを
経験しちゃったよお!
と語り始めるのです。
エンマ大王さんとの出会い
まず、エンマ大王さんに出会ったそうです。
「魂」だけになったエルさんは、最初に裁判所みたいなところに連れていかされたそうです。
ちなみに、これは、
「魂」のエルさんです。
そこでは、生前の行いによって「魂」達は裁かれていました。
裁かれた「魂」は、「天国行き」と「地獄行き」のスタンプを押されていました。
ペタペタ押されるのね。たぶん背中かなあ?
ふくカエル
「魂」達は、スタンプを押されたら、
「天国行き」のスタンプの人は上に、「地獄行き」のスタンプの人は下に落とされるのです。
きゃ~、落ちる。
まじ、こわい!
地獄行きは怖いよお
で、「地獄行き」ですが、そうとう怖いらしいです。
そらもう、生前に悪行の数々をしてきた人は、それ相応のお仕置きが待っているはずです。
殺人を行った人は、同じような目にあいます。
ここでは、あまりにも残酷なので割愛します。もう、省略させてください。
ふくカエル
天国行きは、うひょひょひょ
で、「天国行き」のスタンプを押された「魂」達は、
喜びや幸福、そして計り知れない美しいものに囲まれて過ごします。
ふくネコ
といっても、その日はくる!
といっても、「魂」は、再度、地上舞い降りる日が来ます。
なにやら、人間は一生を「100年単位」に見立てて、10回分繰り返さないとダメらしいのです。
1000年間は、地上と天空を行ったり来たりすると決められているようです。
ふくカエル
その日がきたら、牧場に集合!
地上に降りる、その日がきたら、「魂」は大草原の牧場に集合させられます。
ふくネコ
って感じです。
集合がかかったら、7日間のうちに準備して、8日目に旅に出ることになります。
ふくカエル
でも、準備するって言っても、「魂」だけなので、もちろん洋服や歯ブラシは要らないです。とっても簡単です。
ここで、「運命の袋」選び
牧場に集合させられた「魂」達は、来世の「運命」を決める「運命の袋」を選ぶように言われます。
必ず、「運命の袋」は選ばないといけないのです。
「運命の袋」には、来世で役立ついろいろな「才能」が入っています。
重要なのは、ここで「運命の袋」を間違えてしまうと、自分の来世が酷くなることです。
なので、ほとんどの「魂」達は、間違えないように「運命の袋」を必死になって選びます。
この時点での「魂」は、「生前の記憶」や「前世の記憶」をまだ覚えています。
なので、来世の「運命の袋」を選ぶときには、
今までの、いろんな体験や経験によって手に入れた、あらゆる能力、知識、知恵を活かすことができます。
「運命の袋」選びで失敗しないように、
常日頃から、この能力や知識などを磨ていたほうがいいのです。
たとえ、天国に行けたからと言って、浮かれていないで、せっせと磨きたおしていたほうがいいのです。
ふくネコ
たとえば・・・。
お金に苦労した「魂」は、「次こそは大金持ちだ!」とお金がいっぱいある「運命の袋」を選びます。
肉欲におぼれた人の「魂」は、「もっと快楽が欲しい!」と快楽だらけの「運命の袋」を選びます。
野心家の人の「魂」は、「何が何でも天下じゃ!」と天下人になる「運命の袋」を選びます。
この中に
来世の「運命」が
入っているのね。
そして、めいめいが、それぞれが気に入った「運命の袋」を選んで、背負うのです。
ふくカエル
そして、忘却の水を飲まされる
そして、最後に「魂」たちは、「レーテ河」に連れて行かれて、そこで「忘却の水」を飲まされます。
えらく、美味しいらしいよ。
実は、この水、今までのことをすっかり忘れてしまう、恐ろしい「水」なのです。
必要以上に忘れないように、ちゃんと決められた容量があるそうです。
ふくカエル
でもです。あんまりにも「水」が美味しいので、
たいがいの「魂」達は、じゃんじゃか、じゃんじゃかと
たくさんの量をついつい飲んでしまうらしいです。
げっふ。飲みすぎちゃったよ!
ふくカエル
ふくネコ
ふくカエル
これと一緒かも?
ふくネコ
寝ている間に・・・。
で、「忘却の水」を飲んで「魂」達がぐーすかぐーすか寝ている間に、
雷が鳴って、流星のように、地上にバラバラまかれて、散らばるらしいです。
ぐーぐー寝てる間に・・・。
魂の袋通りの人生を歩む
地上に散らばったそれぞれの「魂」は、生身の身体を手に入れて、
自分の選んだ「運命の袋」通りの運命を生きていくらしいです。
エルさんのおとぎ話【完】
ここで、アラン先生の言葉!
気をつけるんだ!
アラン先生は、「ここで気をつけろ!」と注意喚起しています。
「運命の袋」の中身には、
自分が選んだもの
ばかりじゃないぞ。
不純物も入っている。
たとえば野心の袋だ。
立身出世のアイテム
ばかりじゃない。
いやらしいゴマすり
ねたみや不正という
不純物も入っているから
気をつけろ!
お待たせしました、不純物とは?
運命の袋の中の不純物
「運命の袋」の中には、必ず「不純物」が混じっています。
「不純物」とは、「人生の落とし穴」のことです。
たとえば、代表的なものとして「誘惑」があります。よこしま気持ちがついつい出てしまうのです。
これは、大事な「運命の才能」を汚して、台無しにしてしまいます。
たとえばこんなことをしてしまう!
- 心が汚くあさましいお追従(ゴマすり、おべっか)をすること
- ねたみ嫉妬に燃えること
- 不正を働いたりすること
この「不純物」ですが、どんな「運命の袋」を選んだとしても、必ず入っています。どんな袋でもです。
これも自分が選んだ「運命の袋」の中身なんだと納得して、「人生の落とし穴」にハマらないようにするのが肝心なのです。
じゃあ、どうすればいいのかな?
運命を背負って生きていることに気づく
それには、「運命の袋」を背負っていることに気づくことです。
いろいろな「運命の才能」を背負っていることに気づくことです。
生きていると「あれっ!」こっちの方が、どうやら「才能」があるみたいだと気づく瞬間があります。
気づいたら儲けものです。
その「才能」が自分にとって不快感を感じなければ、「運命の才能」です。
突き進んでみるのが正解だと思います。
でも、どうしてもいろいろな「誘惑」が出てきます。
そんな時は、この「誘惑」は「運命の袋に入っていた、残念なおまけだ」と思ってみます。
「誘惑」を一歩離れて観察することができます。
この一歩離れて観察することで、「誘惑」の質が冷静に判断できます。
後は、負けないようにするのがベストです。
まとめてみたkerokero
- 人には、それぞれ「運命の袋」を背負っています。
- 「運命の袋」には、人生で発揮できる「才能」が入っています。
- でも、「誘惑」という不純物も必ず入っています。
- 「誘惑」に負けて、「才能」を台無しにしないように気をつけます。
- それには、「運命の袋」の中には不純物が混じって当然なのだと納得し、負けないようにするのがいいです。
最後まで、読んでくださってありがとうございます。
またのお越しをお待ちしております。
ふくカエルでした。
なお、アラン先生の引用文は、齋藤慎子さん訳『幸福論』によりました。